成果が出ない活動をどう次に活かすか。「数字へのこだわり」の正体を振り返る

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マネジメント

組織を率いる立場や、現場で部下を指導する立場にいると、「目標数字をどう達成するか」という問いに日々向き合うことになります。

私自身、会社員時代に営業組織のマネージャーをしていた頃、周囲から、 「数字へのこだわりが強い」 と言われることがありました。

しかし当時の私は、自分自身に対してそのような感覚をあまり持っていませんでした。営業という仕事である以上、目標数字を意識するのは自然なことですし、マネージャーとして組織の成果を出す責任を担っていると考えていたからです。

ただ、最近になって「なぜあの頃、周囲からそう言われていたのだろう」と振り返ってみたところ、ひとつの気づきがありました。

私がこだわっていたのは、数字という結果そのものというより、 「この活動を、どうすれば成果につなげられるのか」 ということだったのかもしれません。

今回は、活動を実行して終わらせるのではなく成果につなげていくために、指導者がどのような視点で活動や部下と向き合えばよいのかを整理してみます。


「数字そのものへのこだわり」との違い

「数字へのこだわりが強い」という言葉を聞くと、目標達成のために数字をひたすら追いかけたり、未達の数字を強く意識し続けたりする姿を思い浮かべるかもしれません。

もちろん、営業組織である以上、達成すべき数字から目をそらすことはありません。 しかし、数字そのものをどれだけ強く見つめていても、それだけで成果が出るわけではありません。成果を出すためには、実際に顧客や現場に対して何らかの活動を行う必要があります。

私が振り返って気づいたのは、私が意識を向けていた先は「数字という結果」そのものというより、「実行した活動を、いかにして成果に結びつけるか」という道筋だったということです。

会社から示された活動や、自分たちで決めた取り組みがあるとき、それをただ決められた手順通りにやり切ることだけを求めていたのではありません。また、結果が出なかったときに単に「数字が足りないからもっとやろう」と求めていたのでもありません。

「この活動を、どうすれば成果につなげられるのか」

そこを考え続けていたからこそ、周囲の目には「数字へのこだわりが強い」という姿として映っていたのだと思います。


件数ではなく「返ってきた反応」に目を向ける

この「活動を成果につなげる」という視点を具体的に考えるために、ひとつの例を挙げてみます。

例えば、会社の企画部門から新しい活動が示されたとします。 これに対して、チームの5人のメンバーがそれぞれ3件ずつその活動を実行したとします。

このとき、表面的な事実だけを見れば「合計で15件の活動を実施した」という件数になります。 しかし、私が見ていたのは、この「15件実施した」という行動の量だけではありませんでした。

5人が3件ずつ実行したということは、相手先から「15件分の反応」が返ってきたということです。

当然ながら、その15件すべてが最初からうまくいくわけではありません。むしろ、大半は期待通りの結果にはならないこともあります。 しかし、その15件分の反応を丁寧に見ていくと、その中に次につながるヒントが出てくることがあります。

・「この伝え方には反応がよかった」 ・「この進め方なら可能性がありそうだ」

このように、全体としてはうまくいっていなくても、部分的に手応えのあったやり方や、他とは違った反応が見つかることがあります。

私が注目していたのは、まさにこの「返ってきた反応」でした。

単に「15件やってみました。でも成果が出ませんでした」と件数と結果だけで片付けてしまうと、活動はそこで止まってしまいます。 そうではなく、15件の活動から返ってきた反応の中に何かしらのヒントがあれば、 「じゃあ、次はこれを取り入れてみよう」 と、次の活動のやり方を修正することができます。

また、部下が相談のために自分の活動内容を説明している途中で、話しながら「こうしたらいいかもしれません」と自分自身で気づくこともあります。その気づきも、次の活動に活かしていく材料になります。


「次はどうする?」の具体的なプロセス

では、自分たちの活動から返ってきた反応を見つめ直しても、改善策やヒントが出てこない場合はどうすればよいでしょうか。

私は、そこで活動を終わらせてしまうことはしませんでした。

会社の中を見渡せば、同じ活動に取り組んでいて成果を出している人や組織があります。 自分たちの中にヒントが見当たらないのであれば、 「どうやっているんだろう」 と、聞きに行けばよいのです。

成果を出している人の活動を聞いて、自分たちのやり方との間にある違いを探す。 そして、 「これは自分たちでも取り入れられる」 と思ったことを見つけ、実際に試してみる。

私にとっての「次はどうする?」とは、このような具体的なステップを踏むことでした。

一連の流れを整理すると、次のようになります。

  1. 実行する
  2. 返ってきた反応を見る
  3. その中からヒントを探す
  4. 自分たちで見つからなければ、成果を出しているところから学ぶ
  5. 取り入れられることを試してみる
  6. そして、また実行する

ここで大切なのは、 「やりましたが、成果が出ませんでした」で終わらせないことと同時に、 「手応えのないことを、ただそのまま繰り返すわけでもない」 ということです。

成果が出ないからといって活動そのものを諦めてしまうのは成長がありませんが、手応えが得られていないやり方をそのまま繰り返していても、成果につながる可能性は高くありません。

実行した結果として返ってきた反応を見極め、自組織の中からヒントを拾い、足りなければ成果を出している他者から学んで次の一手を試す。 私はそうやって、活動を成果につなげようとしていました。

「この活動を、どうすれば成果につなげられるのか」を考え続けていたからこそ、うまくいかなければ自然と「では、次はどうする?」という思考になり、次の具体的な行動を探していたのだと思います。


部下から報告を受けたとき、指導者はどう関わるか

指導する立場にいると、部下から、 「やりましたが、うまくいきませんでした」 という報告を受ける場面があります。

そんなとき、指導者がつい「もっとやろう」と言葉をかけるだけで終わらせてしまうと、部下は手応えのないやり方をそのまま繰り返すことになってしまいます。

そうではなく、活動の内容や反応を一緒に振り返ってみることが大切です。

・「どんな反応があった?」 ・「何か手応えはあった?」 ・「成果を出している人は、どうやっているんだろう?」

このように問いかけながら、部下が経験した反応の中から違いやヒントを探したり、周囲で成果を出している人のやり方に目を向けたりしてみる。

単に結果の数字だけを求めるのではなく、実行した活動から返ってきた反応を丁寧に見つめ、次のやり方へとつなげていく。そこに、活動を成果へと結びつけるためのヒントがあります。


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