キャリアコンサルタントのみってるです
4月から年度が始まる会社では、いよいよ10月1日から下期がスタートします
10月1日からチーム全員が目標達成に向けて動き出せるように、役割分担や取引先への働きかけまで準備できているか、という確認ポイントをお話ししました。
今回は、その準備を進める「マネージャー自身の視点」について考えてみたいと思います。
プレイヤーからマネージャーになると、求められる役割が大きく変わります。しかし、立場が変わっても、自分自身の「見る視点」が以前のまま止まってはいないでしょうか。
下期を良い形でスタートさせるために、マネージャーがどのように視点を切り替えるべきかをお伝えします。
ブログ記事のポイント
・プレイヤーとマネージャーでは、仕事を「見る視点」が根本から異なる
・下期の計画を「マネージャーが理解していること」だけでは意味がない
・「説明したのに動かない」ときこそ、視点を切り替えるタイミング
・部下に問いかけることで「理解できていること」と「曖昧なこと」が見えてくる
・マネージャーの役割は、部下の行動をチーム全体の成果へつなげること
プレイヤー時代の視点と、マネージャーの視点の違い
マネージャーになる前は、誰もが自分の担当業務で成果を上げることが中心だったと思います。
・自分が何をすれば目標を達成できるか
・限られた時間の中で、どのように工夫して進めるか
・自分の責任範囲を、どこまで粘り強くやり切るか
プレイヤーとして成果を出すためには、こうした視点で仕事に向き合うことが不可欠ですし、とても大切な経験です。
しかし、マネージャーになったあとも、自分の仕事や自分の行動だけを見ていると、チーム全体の成果にはつながりません。
マネージャーには、「自分が動く視点」だけでなく、**「部下一人ひとりが動ける状態をつくる視点」**が必要になります。
「自分は理解できている」で安心していないか
例えば、下期の活動計画がすでに手元で完成しているとします。
上期の結果を踏まえた目標の差も把握し、下期の重点施策も、取引先への働きかけも具体的に決まっている。マネージャー自身は、その内容を隅々まで十分に理解しているはずです。
しかし、ここで立ち止まって確認したいのは、
「マネージャー自身が理解できているかどうか」ではありません。
本当に見るべきなのは、次のような部下の状態です。
・部下が、自分自身の役割を理解しているか
・その役割が、チーム全体の目標とどうつながっているかを分かっているか
・10月1日の朝を迎えたとき、何から始めればよいかが明確になっているか
マネージャーの頭の中に完璧な計画があっても、現場で動く部下の頭の中が曖昧なままであれば、計画は動き出しません。
「説明したこと」と「相手が動けること」は同じではない
期初の方針説明会などで、マネージャーが丁寧に資料を使って説明したとします。
ところが、数日経っても部下が思ったように動き出さないとき、私たちはついこう考えてしまいがちです。
「あんなに詳しく説明したのに、なぜ動かないのだろう」
「方針資料も渡したはずなのに、なぜ伝わっていないのだろう」
しかし、「伝えたこと」と「相手が理解して動けること」は同じではありません。
説明を聞いて「分かりました」と返事をしていても、いざ自分の机に戻ると、「具体的にどこから手をつければいいのか」「自分の普段の業務とどう関係するのか」が見えていないことは少なくありません。
ここで必要になるのが、マネージャー自身の視点の切り替えです。
「自分は何を伝えたか」という自分の側の視点から、「部下の目には何が見えているか」という相手の側の視点へ切り替える必要があります。
部下に問いかけ、見えている景色を確認する
では、部下が本当に動ける状態になっているかどうかを、どのように確認すればよいのでしょうか。
一番確実なのは、一方的に再説明するのではなく、部下に問いかけてみることです。
例えば、次のように聞いてみます。
「下期に、自分が果たす役割をどのように考えている?」
「10月1日から、最初に何に取り組む予定?」
この質問を投げかけて、部下自身の言葉で返ってくる答えを聞いてみます。
すると、「どこまで方針を理解できているか」とともに、「どこがまだ曖昧で迷っているか」がはっきりと見えてきます。部下の頭の中にある解像度が、そのまま言葉として表れるからです。
答えを渡すのではなく、必要な前提を渡して一緒に確認する
部下と対話する際、マネージャーがすべてを手取り足取り指示し、答えを渡す必要はありません。部下自身に考えてもらうプロセスがあって初めて、当事者意識が生まれます。
ただし、部下が自分の頭で考えるためには、マネージャーから渡さなければならないものがあります。
・会社やチームが目指している全体の方針
・その部下に期待している役割や領域
・判断に迷ったときの基準や優先順位
これらは、指導者として明確に伝えておく必要があります。
その前提をしっかり渡したうえで、部下が自分で考えた行動を聞き、「それがチームの目標達成にどうつながるか」を一緒に確認し、すり合わせていきます。
もし考えにズレがあればその場で修正できますし、準備が不足していれば補うことができます。
マネージャーの仕事は、部下の行動をチームの成果へつなげること
マネージャーの仕事は、自分一人で成果を上げることではありません。
会社の方針をチームの活動へ置き換え、部下一人ひとりの行動を、チーム全体の成果へつなげることです。
そのためには、
「自分は何をするか」
という視点にとどまらず、
「部下が何を理解し、どう動くか」
という視点を常に持ち続けることが欠かせません。
明日から10月が始まります。
下期に向けて、マネージャー自身が何をするかだけでなく、「部下が10月1日から迷わず動ける状態になっているか」を、ぜひ確認してみてください。
自分の仕事から、チームの成果へ視点を切り替える。その意識が、チーム全員で目標を達成するための力強い第一歩になります。
まとめ
マネージャーが成果と育成を両立させるためには、「伝える側の視点」から「受け取る側の視点」への切り替えが欠かせません。
- プレイヤーは「自分がどう動くか」、マネージャーは「部下がどう動けるか」を見る
- 説明したことと、相手が理解して動けることは別物である
- 部下に役割と最初の一歩を問いかけ、見えている景色をすり合わせる
- 答えを丸ごと渡すのではなく、判断基準を渡して一緒に考える
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