ブログ記事のポイント
- トラブル発生直後は、誰が悪いかよりも「どの状態まで立て直すか」を考えることが大切です
- 元の状態へ完全に戻せない場合は、現実的な着地点を決める必要があります
- 担当者への質問は、情報を集めるだけでなく、本人が冷静さを取り戻すことにもつながります
- トラブル対応では、時間をかけすぎず、必要な情報を整理して早く動くことが重要です
- 失敗から立て直した経験は、「次も対応できる」という自信につながります
こんにちは。
キャリアコンサルタントのみってるです。
今回は、
「トラブルが起きたとき、まず何を考える?」
というテーマでお話しします。
部下が挑戦するためには、ある程度の自信が必要です。
その自信を育てるためには、小さな成功を積み重ねることが大切です。
ただ、成功した経験だけが自信につながるわけではありません。
失敗した。
トラブルが起きた。
それでも、状況を整理して立て直すことができた。
このような経験も、「次に何か起きても対応できる」という自信につながるのではないでしょうか。
では、実際に部下が失敗したときや、トラブルが起きたとき、マネージャーは何を考えればよいのでしょうか。
トラブルが起きると、原因や責任を考えたくなる
仕事をしていれば、さまざまなトラブルが起きます。
お客様を怒らせてしまった。
こちらの対応に問題があった。
説明が十分に伝わっていなかった。
関係者の間で行き違いが起きた。
予定していた対応が遅れてしまった。
そのようなとき、担当者からマネージャーへ報告が入ります。
報告を受けたマネージャーは、すぐに原因を確認したくなると思います。
「なぜ、このようなことが起きたのか」
「どこで判断を間違えたのか」
「誰の対応に問題があったのか」
再発を防ぐためには、原因を確認することが必要です。
ただし、トラブルが起きた直後に最初に考えることは、責任の所在ではないと私は考えています。
最初に考えるのは、
「最終的に、どのような状態へ着地させるのか」
ということです。
最初に「着地点」を考える
私は長く営業の仕事をしてきました。
そのため、お客様との間で起きるトラブルも数多く経験しています。
相手がどれだけ怒っていたとしても、その状態をそのままにしておくわけにはいきません。
どこかに着地点をつくらなければなりません。
営業の仕事であれば、例えば、
売上が落ちなければ、ひとまずよい。
担当者を変えてほしいと言われる状況を避けられればよい。
一つの製品で問題が起きても、ほかの製品にまで影響が広がらなければよい。
今後も話を聞いてもらえる関係を残せればよい。
このように、トラブルの内容によって目指す着地点は変わります。
もちろん、トラブルが起きる前の状態へ完全に戻せれば、それが一番よいと思います。
しかし、必ず元どおりにできるとは限りません。
だからこそ、
「今回のトラブルを、どこまで立て直せればよいと考えるのか」
を最初に整理する必要があります。
着地点が決まらなければ、何を優先して対応するのかも決まりません。
相手が何を求めているのかを考える
着地点を考えた次に確認するのは、相手が何を求めているのかということです。
まず謝罪してほしいのか。
何が起きたのかを、きちんと説明してほしいのか。
今後、同じ問題を起こさないための対応を示してほしいのか。
担当者だけでなく、責任者にも来てほしいのか。
それとも、こちらが想像していない別のことを求めているのか。
こちらがよいと思う対応と、相手が求めている対応が一致しているとは限りません。
丁寧に説明することが必要な場合もあれば、説明より先に謝罪が必要な場合もあります。
相手が何に怒り、何に不安を感じているのかを考えることが大切です。
そのうえで、どのような対応が必要なのかを判断します。
担当者への質問で状況を整理する
相手が何を求めているのかを考えるためには、まず何が起きたのかを確認しなければなりません。
そのため、担当者から話を聞きます。
何が起きたのか。
いつ起きたのか。
相手は何と言っていたのか。
担当者は、どのように対応したのか。
その後、相手の様子はどうだったのか。
ほかの関係者は、その場にいたのか。
こうした必要な情報を、質問しながら確認していきます。
トラブル対応では、事実と推測を分けることも重要です。
「相手は、かなり怒っていると思います」
という担当者の受け止めと、
「相手から、このような言葉を言われました」
という事実は同じではありません。
担当者を責めるためではなく、状況を正しく理解するために質問します。
質問には、担当者を落ち着かせる意味もある
今振り返ると、担当者への質問には、情報収集以外の意味もあったと感じています。
トラブルが起きた直後の担当者は、頭の中が整理されていないことがあります。
「大変なことになった」
「どうしよう」
「自分が怒られるかもしれない」
「お客様との関係が終わってしまうかもしれない」
そのような気持ちが先に出ていることもあります。
その状態で、マネージャーへ報告に来るわけです。
しかし、マネージャーへ説明しようとすると、何が起きたのかを順番に整理しなければなりません。
さらに、マネージャーから質問されれば、その答えを考えます。
いつ、何が起きたのか。
相手は何と言ったのか。
自分はどのように対応したのか。
まだ確認できていないことは何か。
こうして一つずつ言葉にしているうちに、担当者も少しずつ冷静さを取り戻します。
キャリアコンサルタントとして人の話を聞く仕事をしている今、相手が話しながら自分の状況を整理していく時間には、大きな意味があると感じています。
マネージャーの質問は、答えを問い詰めるためのものではありません。
一緒に状況を整理し、次の行動を考えるためのものです。
時間をかけすぎず、早く動く
ただし、担当者の話を聞くことが大切だからといって、いつまでも時間をかけるわけではありません。
トラブル対応では、私はスピードをかなり重視していました。
必要な情報を集める。
状況を整理する。
相手が何を求めているのかを考える。
自分たちが目指す着地点を決める。
そこまで整理したら、できるだけ早く相手のところへ行く。
これが基本でした。
営業のトラブルでは、時間が経つことで、相手の不満がさらに大きくなることがあります。
「問題が起きたこと」だけでなく、
「報告したのに、なかなか対応してくれない」
という新しい不満が加わる可能性もあります。
すべてを完璧に整理してから動こうとすると、対応が遅れます。
じっくり考えてから動くのではなく、早く動くために必要な情報を短時間で整理する。
そのような感覚が必要だと思います。
マネージャーの考えを伝え、担当者の意見も聞く
ある程度状況が整理できたら、私は自分が考えている着地点を担当者へ伝えていました。
「今回は、ここまで立て直せればよいと考えている」
「まずは、この影響がほかへ広がらない状態を目指そう」
「今後も話を聞いてもらえる関係を残すことを優先しよう」
このように、マネージャーとしての考えを伝えます。
ただし、自分の考えを伝えて終わりにはしません。
担当者にも、
「あなたは、どう思う?」
と聞きます。
実際にお客様と接しているのは担当者です。
マネージャーには見えていない相手の表情や言葉、これまでの関係があります。
担当者だからこそ気づいていることもあります。
マネージャーの経験だけで判断せず、現場を知っている担当者の意見も聞く。
そのうえで対応方法を決め、できるだけ早く動きます。
立て直した経験が次の自信になる
トラブルは、起きないほうがよいものです。
しかし、仕事をしている以上、すべての失敗やトラブルをなくすことは難しいでしょう。
大切なのは、トラブルが起きた後に、どのように対応するかです。
失敗した。
トラブルになった。
しかし、状況を整理した。
相手が求めていることを考えた。
着地点を決めた。
必要な対応を考え、早く動いた。
その結果、何とか立て直すことができた。
この経験が本人の中に残れば、次に何かが起きたときの受け止め方が変わります。
「もう駄目だ」と考えるのではなく、
「まず状況を整理しよう」
「相手が何を求めているのかを考えよう」
「必要なことを確認して、早く動こう」
と考えられるようになります。
失敗しても、そこから対応できる。
自分は、立て直すことができる。
その感覚が、次の挑戦を支える自信になっていくのではないでしょうか。
私は、これも日常業務の中での成長だと考えています。
まとめ
トラブルが起きたとき、原因を確認することや、再発防止を考えることは必要です。
ただし、最初から誰が悪かったのかを追及しても、目の前の状況は改善しません。
まず考えたいのは、
「最終的に、どのような状態へ着地させるのか」
ということです。
そのうえで、相手が何を求めているのかを考え、担当者から必要な情報を集めます。
質問しながら状況を整理することで、混乱していた担当者も少しずつ冷静さを取り戻します。
そして、必要な情報が整理できたら、時間をかけすぎずに動く。
トラブルをゼロにすることだけが、マネージャーの仕事ではありません。
起きてしまったトラブルに対して、部下と一緒に状況を整理し、考え、行動し、立て直す。
その経験を次に生かす。
その積み重ねによって、部下の中に、
「失敗しても、ここから対応できる」
という自信が育っていくのだと思います。
部下からトラブルの報告を受けたとき、皆さんは最初に何を考えているでしょうか。
誰が悪かったのかでしょうか。
それとも、最終的にどのような状態へ着地させるかでしょうか。
そして、着地点に向けて必要な情報を整理したら、すぐに動けているでしょうか。
一度、日頃の対応を振り返ってみてください。
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