失敗を隠すチームと、隠さないチームの違いは何か?

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マネジメント

ブログ記事のポイント

  • 同じ会社、同じ部門でも、チームによって失敗の報告のされ方は違います
  • 失敗を隠さないチームでは、「何かあったら報告し、一緒に立て直す」という経験が積み重なっています
  • 報告したときに責められる経験が続けば、部下は自分で何とかしてから報告しようとするかもしれません
  • 失敗を隠す行動を、本人の性格だけの問題にしてよいのかを考える必要があります
  • チームの中にある「ここでは、こうするのが当たり前」という空気が、人の行動に影響します

こんにちは。

キャリアコンサルタントのみってるです。

今回は、

「失敗を隠すチームと、隠さないチームの違いは何か?」

というテーマでお話しします。

ここ数日、失敗や挑戦について考えてきました。

前回は、トラブルが起きたときには、まず最終的な着地点を考えるというお話をしました。

必要な情報を整理する。

相手が何を求めているのかを考える。

どこまで立て直せればよいのかを決める。

そして、できるだけ早く動く。

トラブルを立て直した経験も、部下の次の自信につながるのではないかと考えています。

今回は、そこから少し視点を広げて、チームについて考えてみます。

組織が変われば、職場の雰囲気も変わる

私は長く営業の仕事をしてきました。

医薬品、新規事業として取り組んだ食品、そして医療機器。

大きく分けると、三つの営業部隊を経験しています。

扱う商品も違います。

お客様も違います。

市場での立ち位置も違います。

仕事の進め方や、求められる知識も同じではありません。

ですから、組織が変われば、職場の雰囲気や文化が違うことは、ある程度理解できました。

積極的に新しいことへ取り組む組織もあれば、慎重に進めることを大切にする組織もあります。

数字を強く意識する組織もあれば、お客様との関係づくりを重視する組織もあります。

扱う商品や市場が違えば、働く人たちの意識や行動に違いが生まれるのも不思議ではありません。

ただ、私が驚いたのは、異なる事業部門の違いだけではありませんでした。

同じ会社の同じ医薬品部門であっても、チームによって違いがあったのです。

試行錯誤を重ねた新しいチーム

以前、新しくつくられたチームに赴任したことがありました。

最初から、すべてが順調だったわけではありません。

新しいチームですから、仕事の進め方も、メンバー同士の関わり方も、最初から完成していたわけではありません。

みんなで試行錯誤しました。

うまくいかないこともありました。

苦戦したことも、失敗したこともあります。

何か問題が起きれば、まず報告する。

状況を確認する。

どう対応するかを考える。

そして動く。

その結果を確認し、必要であれば、もう一度対応を考える。

そのようなことを繰り返していました。

誰かが失敗したときに、失敗した本人だけへ対応を任せるのではありません。

必要に応じて、上司や周りのメンバーも一緒になって考えます。

そうしなければ、前へ進めない場面が数多くあったのだと思います。

「何かあったら、まず報告する」が当たり前になった

そのチームで5年ほど仕事をした頃には、失敗を隠すメンバーはいなかったと思います。

もちろん、何でもすぐに報告できる人ばかりだったとは限りません。

失敗を報告することに、迷いを感じる場面もあったでしょう。

それでも、問題が大きくなるまで黙っていることは、ほとんどなかったと思います。

何かあったら報告する。

みんなで状況を確認する。

どう対応するかを考える。

そして、できるだけ早く動く。

この流れを何度も経験するうちに、

「何かあったら、まず言う」

ことが、チームの当たり前になっていたのかもしれません。

当時の医薬品部門は主力製品を扱っており、前向きに活動するチームが多かった印象があります。

簡単には諦めない。

仕事にプライドを持って取り組む。

何か問題が起きても、どうすれば前へ進めるかを考える。

私自身、医薬品部門に対して、そのようなイメージを持っていました。

そのため、失敗や問題があれば報告することも、ある程度当たり前のことだと考えていたのです。

同じ医薬品部門でも、報告のされ方が違った

ところが、その後、同じ医薬品部門の別のチームへ異動して驚きました。

失敗や、都合の悪い情報が、すぐに上がってこないことがあったからです。

後になって問題を知り、

「なぜ、もっと早く言わなかったのだろう」

と思うこともありました。

もちろん、全員が失敗を隠していたわけではありません。

問題があれば、すぐに報告する人もいました。

しかし、以前のチームとは、報告のされ方に違いがあると感じました。

同じ会社です。

同じ医薬品部門です。

会社の方針や、基本的なルールも同じです。

それなのに、なぜチームによって違いが生まれるのでしょうか。

最初は、本人の性格の違いかもしれないと考えました。

失敗を素直に報告できる人もいれば、報告することをためらう人もいます。

これまで、どのような上司や先輩と仕事をしてきたかという経験の違いもあるでしょう。

しかし、理由はそれだけではないような気がしました。

報告した後に何が起きるのか

以前のチームでは、失敗したら報告する。

みんなで状況を確認する。

必要な対応を考える。

できるだけ早く動く。

そして、何とか立て直す。

この経験を繰り返していました。

失敗を報告した後に始まるのは、責任追及だけではありません。

どうすれば状況を立て直せるかを考える時間でした。

その経験が積み重なることで、メンバーの中に、

「何かあったら、まず報告しよう」

という考えが生まれていたのかもしれません。

一方で、失敗を報告するたびに強く責められたら、どうでしょうか。

上司から嫌な顔をされた。

人前で厳しく問い詰められた。

事情を聞かれる前に、「なぜ、こんなことをしたのか」と責任を追及された。

そのような経験が続けば、

「もう少し自分で何とかしてから報告しよう」

「今報告したら、また責められる」

「うまく収まれば、言わなくても済むかもしれない」

と考えるようになる可能性があります。

最初から失敗を隠そうと思っていたわけではなくても、報告を遅らせるうちに、結果として問題を抱え込むことがあります。

失敗を隠すのは、本人だけの問題なのか

失敗を隠してよいという話ではありません。

仕事では、問題が起きたら必要な人へ報告する責任があります。

報告が遅れることで、お客様や関係者への影響が大きくなることもあります。

早く報告していれば、小さな対応で済んだ問題が、時間の経過によって大きくなることもあります。

だから、失敗やトラブルを報告することは必要です。

ただ、ここで考えたいのは、

「失敗を隠すという行動を、その人だけの問題にしてよいのだろうか」

ということです。

「本人の責任感が足りない」

「報告する意識が低い」

「性格に問題がある」

そう決めつける前に、チームの中で失敗を報告した人が、どのように扱われているかを振り返る必要があります。

報告したとき、最初に責められていないでしょうか。

事情を説明する前に、結論を決めつけられていないでしょうか。

報告した本人だけに、すべての対応を任せていないでしょうか。

反対に、早く報告したことを受け止め、まず状況を整理できているでしょうか。

個人の行動を見ることは必要です。

同時に、その行動が生まれた職場の環境にも目を向ける必要があると思います。

チームの「当たり前」が人の行動に影響する

同じ会社でも違う。

同じ部門でも違う。

だとすれば、そのチームの中にある、

「ここでは、こうするのが当たり前」

というものが、人の行動に影響しているのではないでしょうか。

何かあったら、すぐに報告するのが当たり前なのか。

できるだけ自分で何とかしてから、報告するのが当たり前なのか。

失敗を報告したら、みんなで立て直す方法を考えるのか。

失敗を報告したら、まず本人が責められるのか。

分からないことを質問できるのか。

困っていても、自分だけで解決することを求められるのか。

この違いは、働く人の行動に大きな影響を与えます。

私は、このようなチームの中にある「当たり前」を、職場の空気と考えています。

職場の空気は、目に見えるものではありません。

規則として文章に書かれていないこともあります。

それでも、そこで働いている人は、

「この職場では、どのように行動したほうがよいのか」

を感じ取っています。

職場の空気は、日々の反応から伝わる

キャリアコンサルタントとして相談を聞いていても、人は周囲の反応をよく見ていると感じます。

上司が何を言ったかだけではありません。

誰かが失敗したとき、上司はどのような表情をしたか。

報告した人に、最初にどのような言葉をかけたか。

困っている人に、周りの人がどう関わったか。

問題を早く報告した人が、どのように扱われたか。

こうした日々の出来事から、

「ここでは、何をしてよいのか」

「ここでは、何をすると嫌がられるのか」

を学んでいきます。

マネージャーが「失敗したら、すぐに報告してください」と伝えていても、実際に報告した人を強く責めていれば、部下は言葉よりも反応を見ます。

反対に、問題が起きたときに状況を整理し、チームで立て直す経験が続けば、

「何かあったら、まず報告する」

という行動が少しずつ定着していくのだと思います。

まとめ

同じ会社、同じ部門であっても、チームによって失敗の報告のされ方が違うことがあります。

その違いを、本人の性格や責任感だけで説明することはできません。

失敗を報告した後に、何が起きるのか。

責められるのか。

話を聞いてもらえるのか。

一緒に対応を考えてもらえるのか。

立て直す経験ができるのか。

その積み重ねによって、

「何かあったら、まず報告する」

「できるだけ自分で何とかしてから報告する」

という、チームごとの当たり前が生まれていくのではないでしょうか。

失敗を隠すことは、本人の問題です。

しかし、失敗を隠したくなる空気がなかったかを考えることは、マネージャーの役割だと思います。

皆さんの職場でも、同じ会社なのに、チームによって当たり前が違うことはないでしょうか。

何か問題が起きたとき、すぐに報告することが当たり前になっているでしょうか。

それとも、自分で何とかしてから報告することが当たり前になっているでしょうか。

そして、その「当たり前」は、誰がどのようにつくっているのでしょうか。

次回は、職場の「当たり前」がどのようにつくられるのかについて、もう少し考えてみたいと思います。


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