職場の「当たり前」は誰がつくっているのか?

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マネジメント

マネージャーの最初の反応と、チーム全員の積み重ね

ブログ記事のポイント

  • 同じ会社や部門でも、チームによって「当たり前」は異なります
  • 職場の当たり前は、規則ではなく日々の経験からつくられます
  • 相談や失敗の報告を受けたときの反応が、次の行動に影響します
  • マネージャーは当たり前をつくる最初のきっかけを担います
  • チーム全員が行動を繰り返すことで、職場の空気が定着していきます

こんにちは。

キャリアコンサルタントのみってるです。

今日は、職場の「当たり前」は誰がつくっているのか、というテーマで考えてみます。

昨日は、失敗を隠すチームと、隠さないチームの違いについて書きました。

同じ会社で働いていても、同じ医薬品部門に所属していても、チームによって行動に違いがあります。

何かあれば、すぐに報告するチーム。

できるだけ自分で何とかしてから、報告しようとするチーム。

私は実際に、両方のチームを経験しました。

では、その違いはどこから生まれるのでしょうか。

本人の性格や経験だけで決まるのでしょうか。

私は、チームの中で共有されている「ここでは、こうするのが普通」という基準が、一人ひとりの行動に影響しているのではないかと考えています。

同じ会社でも、チームの当たり前は違う

会社には就業規則や行動指針があります。

組織として大切にする考え方が示されていることもあります。

しかし、実際の職場には、それとは別に、

「このチームでは、こうするのが普通だよね」

という当たり前があります。

例えば、困ったことがあれば早めに相談する。

トラブルが起きたら、すぐに報告する。

お客様から相談を受けたら、できるだけ早く対応する。

他のメンバーが困っていたら、声をかける。

自分の担当ではなくても、必要であれば協力する。

こうした行動のすべてが、規則に細かく書かれているわけではありません。

誰かが毎朝、説明しているわけでもありません。

それでも、チームの中では少しずつ共有されていきます。

新しく加わったメンバーも、周囲の行動を見ながら、

「このチームでは、早めに相談したほうがいいんだな」

「何か起きたときは、まず報告するんだな」

と理解していきます。

反対に、相談せずに自分で何とかする人が多ければ、それがその職場の当たり前になります。

同じ会社でもチームによって行動が違うのは、そこで共有されている基準が違うからかもしれません。

マネージャーが一人でチームをつくるわけではない

私はマネージャーになったばかりの頃、チームはマネージャーがつくるものだと考えていました。

チームの方針を決める。

目標を示す。

役割を分担する。

部下へ指示を出す。

成果が出るように働きかける。

それがマネージャーの仕事だと思っていました。

この考え方が間違っていたとは思いません。

マネージャーがチームづくりの中心であることは、今も変わらないと思っています。

ただ、経験を重ねる中で、少し考え方が変わりました。

マネージャーが中心にはなる。

しかし、マネージャー一人でチームをつくるわけではない。

マネージャーがきっかけをつくり、メンバーが日々の仕事の中で同じ行動を繰り返すことによって、チームの当たり前が育っていくのだと思います。

マネージャーが、

「困ったら早めに相談してください」

と言うだけでは、相談しやすい職場にはなりません。

実際に相談したときに、どのような対応を受けるのか。

そこまで含めて、メンバーは職場の基準を判断しています。

職場の当たり前は、毎日の経験からつくられる

誰かが困っていることを相談した。

周りの人が話を聞き、一緒に対応を考えた。

トラブルが起きた。

担当者がすぐに報告した。

マネージャーは最初から責めるのではなく、まず状況を確認した。

必要な対応を決め、チームで動いた。

トラブルが収まった後には、原因や今後の対策を振り返った。

こうした経験を繰り返すことで、

「困ったときには相談していい」

「失敗しても、まず報告すれば一緒に対応してもらえる」

「一人で抱え込むより、早く共有したほうが解決しやすい」

という基準が生まれます。

それが繰り返されると、早めに相談することや、すぐに報告することが、そのチームの当たり前になっていきます。

反対のことも起こります。

相談すると、忙しそうな顔をされる。

「それくらい自分で考えて」と言われる。

失敗を報告すると、何が起きたのかを確認する前に責められる。

「なぜ、こんなことになったんだ」と追及される。

そのような経験が続けば、

「相談する前に、もう少し自分で考えよう」

「報告すると責められるから、何とかしてから伝えよう」

と考えるようになるかもしれません。

一人ひとりの行動は、本人の考えだけで決まるものではありません。

その行動を取ったとき、周囲からどのような反応が返ってくるのか。

その経験も、次の行動に影響します。

マネージャーの「最初の反応」が基準になる

では、マネージャーには何ができるのでしょうか。

私は、チームの当たり前をつくる最初のきっかけを担うことだと考えています。

部下が相談してきたとき、どのような反応をするのか。

失敗を報告してきたとき、最初に何を言うのか。

新しいことに挑戦した部下へ、どのような言葉をかけるのか。

この最初の反応は、とても重要です。

例えば、部下からトラブルの報告を受けたときに、

「なぜ、そんなことをしたんだ」

と最初に言うのか。

それとも、

「分かりました。まず、何が起きたのか教えてください」

と状況の確認から始めるのか。

どちらの反応をするかによって、部下が次に同じようなことを経験したときの行動が変わる可能性があります。

もちろん、問題があれば原因を確認し、必要な指摘をしなければなりません。

同じ失敗を繰り返さないための振り返りも必要です。

しかし、トラブルが起きた直後に優先するのは、状況を把握し、影響が広がらないように動くことです。

早く報告したことによって問題を小さくできたのであれば、

「早く報告してくれたので、対応できました」

と伝えることもできます。

その一言によって、本人だけでなく、周囲のメンバーにも、

「このチームでは、早く報告することが大切にされている」

という基準が伝わります。

職場の空気は、言葉より実際の対応から生まれる

職場の空気というと、少し曖昧に聞こえるかもしれません。

私は職場の空気を、

「ここでは、どのように行動するのが普通なのか」

という、メンバーが共有している基準だと考えています。

会社が「挑戦を大切にする」と掲げていても、失敗した人が強く責められていれば、挑戦しにくくなります。

マネージャーが「何でも相談してください」と話していても、実際に相談したときに嫌な顔をされれば、相談する人は減っていきます。

反対に、特別な言葉を掲げていなくても、困った人がいれば自然に声をかける。

何か起きれば早く共有する。

報告を受けた人は、一緒に対応を考える。

そのような行動が繰り返されていれば、相談や報告をしやすい職場になります。

人は、掲げられている言葉だけではなく、実際に何が起きているかを見ています。

キャリアコンサルタントとして人の成長を考えるときにも、本人の意欲や能力だけを見るのではなく、どのような環境で仕事をしているかを考える必要があります。

周囲の反応によって、行動しやすくなることもあれば、行動を控えるようになることもあるからです。

メンバー全員が当たり前を育てていく

マネージャーの影響は大きいと思います。

しかし、マネージャーだけが職場の当たり前をつくるわけではありません。

同僚から相談を受けたとき、話を聞くのか。

忙しいからと、すぐに断るのか。

誰かが失敗したとき、一緒に対応を考えるのか。

陰で批判するのか。

誰かの挑戦がうまくいかなかったとき、その経験から学ぼうとするのか。

「余計なことをしなければよかったのに」と受け止めるのか。

メンバー一人ひとりの反応も、チームの基準をつくっています。

マネージャーがきっかけをつくり、その行動をメンバーが共有する。

さらに、新しく入ったメンバーが周囲を見て、同じ行動を取る。

この繰り返しによって、チームの当たり前が定着していきます。

つまり、職場の当たり前は、マネージャーの働きかけを起点にしながら、チーム全員でつくっていくものなのだと思います。

特別な制度より、同じ対応を続ける

私は以前、新しくつくられたチームで仕事をした経験があります。

振り返ってみると、特別な制度を導入したわけではありません。

何かあれば報告する。

状況を一緒に整理する。

どう対応するかを考える。

必要であれば、すぐに動く。

対応が終われば振り返る。

この流れを、みんなで何度も繰り返していました。

最初から、失敗を隠さないチームだったわけではありません。

苦戦もありました。

失敗もありました。

そのたびに報告し、考え、対応し、立て直してきました。

そうした経験が積み重なることで、

「何かあったら、まず報告する」

「一人で抱え込まず、みんなで考える」

ということが、少しずつチームの当たり前になっていったのだと思います。

一回の声かけで、職場の空気が変わるわけではありません。

一度だけ丁寧に対応しても、その後の反応が違えば、チームの基準にはなりません。

大切なのは、同じ考え方に基づく対応を続けることです。

その積み重ねが、やがて説明しなくても共有される当たり前になります。

今ある当たり前を振り返ってみる

皆さんの職場には、

「これが当たり前だ」

と言えることがあるでしょうか。

困ったときには、早めに相談する。

トラブルが起きたら、すぐに報告する。

お客様への対応を後回しにしない。

他のメンバーが困っていたら協力する。

新しいことに挑戦した人を応援する。

失敗したときには、責めるだけで終わらず次の対策を考える。

こうした当たり前があれば、チームの成長を支える力になります。

一方で、

「相談しても仕方がない」

「失敗は、できるだけ知られないほうがいい」

「自分の担当以外には関わらない」

ということが当たり前になっている可能性もあります。

もし変えたい当たり前があるなら、最初からチーム全体を変えようとしなくてもよいと思います。

まずは、自分の反応を一つ変えてみる。

相談されたとき、手を止めて話を聞く。

失敗の報告を受けたとき、最初に「報告してくれてありがとう」と伝える。

挑戦した人に、結果だけでなく行動したことへの言葉をかける。

その小さな行動が、次の行動を生むきっかけになります。

まとめ

職場の当たり前は、誰か一人が決めて完成するものではありません。

毎日の会話。

毎日の相談。

毎日の報告。

毎日の行動。

そして、日々のトラブルへの対応。

その一つひとつが積み重なり、

「このチームでは、こうするのが普通だ」

という基準になっていきます。

マネージャーは、その最初のきっかけをつくる存在です。

部下が相談してきたときに、どう反応するのか。

失敗を報告してきたときに、最初に何を言うのか。

挑戦した部下に、どのような言葉をかけるのか。

その対応をメンバーが経験し、自分たちも同じように行動する。

その繰り返しによって、チームの当たり前が育ちます。

チームは、マネージャー一人がつくるものではありません。

しかし、マネージャーの一つひとつの反応が、チームの進む方向に大きな影響を与えます。

皆さんの職場には、どのような当たり前があるでしょうか。

その当たり前は、チームの成長を支えるものになっているでしょうか。

そして、明日から続けたい反応や行動は何でしょうか。

一度、振り返ってみてはいかがでしょうか。


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