ブログ記事のポイント
- 管理職になった時点で、マネージャーとして完成しているわけではありません
- 経験を使って判断することは、管理職に必要な力です
- その経験が、部下の考える機会を減らすこともあります
- うまくいかなかった経験を振り返ることで、関わり方は変わっていきます
- 部下の成長だけでなく、管理職自身の変化にも目を向けることが大切です
管理職は、いつも正しい答えを持っていなければならないのか
係長や課長になると、部下を指導する立場になります。
仕事を教える。
相談を受ける。
問題が起きれば判断する。
チームが進む方向を示す。
そのような役割を担うと、
「部下よりも多くのことを知っていなければならない」
「質問されたら、正しい答えを示さなければならない」
と思うことがあります。
私自身も、マネージャーになったばかりの頃は、そのように考えていました。
これまでの経験を使って、部下へ方法を示す。
問題が起きれば、早く解決策を考える。
迷っている部下がいれば、進む方向を教える。
それが、マネージャーの役割だと思っていました。
もちろん、経験を使って判断することは大切です。
マネージャーには、チームとして成果を出す責任があります。問題が起きたときには、その影響を考え、早く対応しなければならないこともあります。
しかし、管理職になったからといって、その日からマネージャーとして完成するわけではありません。
良かれと思った関わりが、部下の成長につながらないこともある
マネージャーとして仕事をしていると、良かれと思って行ったことが、思っていたとおりに伝わらないことがあります。
自分では分かりやすく説明したつもりでも、部下には違う意味で受け取られていた。
部下のために答えを伝えたつもりが、本人の考える機会を減らしていた。
成長につながると思って任せた仕事が、本人にとっては大きな負担になっていた。
私にも、そのような経験が何度もありました。
マネージャーが部下のことを考えて行ったからといって、必ずしも期待した結果になるとは限りません。
ここで難しいのは、マネージャー側にも理由があることです。
早く成果を出したい。
失敗する可能性を小さくしたい。
部下に自信をつけてもらいたい。
忙しい部下の負担を減らしたい。
そのように考えた結果として、答えを伝えたり、仕事を任せたりしています。
だからこそ、うまくいかなかったときに、
「自分の考えが間違っていた」
「これまでのやり方は、すべて駄目だった」
と単純に考える必要はないと思います。
大切なのは、そのときの判断を否定することではなく、起きたことから何に気づくかです。
うまくいかなかった経験が、自分の関わり方を見直す機会になる
部下との関わりが思うようにいかなかったとき、私は、
「なぜ伝わらなかったのだろう」
「自分の関わり方で、何が足りなかったのだろう」
「別の方法はなかっただろうか」
と考えてきました。
すぐに答えが見つかるとは限りません。
そのときには分からず、時間がたってから気づくこともあります。
別の部下と関わったときに、以前の経験を思い出すこともあります。
新しいことを学んだことで、
「あのときは、この部分が見えていなかったのかもしれない」
と考えられるようになることもあります。
マネージャーの成長とは、失敗しなくなることではないと思います。
うまくいかなかった経験をそのままにせず、部下の反応や起きた結果を振り返り、次の関わり方を考えることです。
そこで得た気づきを、次の場面で生かす。
その積み重ねによって、マネージャーの関わり方は少しずつ変わっていきます。
過去の自分を否定しなくても、考え方は変えられる
経験を振り返ると、
「もっと話を聞けばよかった」
「すぐに答えを伝えない方がよかった」
と思うことがあります。
しかし、現在の自分の考え方だけで、過去の自分を評価しすぎないことも大切です。
当時は、その時点で持っていた経験や情報、置かれていた状況の中で、必要だと思うことを選んでいました。
目の前の成果を上げる必要もありました。
早く問題を解決しなければならない場面もありました。
その判断が、すべて間違っていたわけではありません。
ただ、経験を重ねることで、以前は見えなかったものが見えるようになります。
部下がどのように受け取ったのか。
自分とは違う考えを持っていないか。
本人が本当に困っていることは何か。
教えた方がよい場面なのか、それとも考えてもらった方がよい場面なのか。
見えるものが増えれば、選べる関わり方も増えていきます。
過去の自分をすべて否定するのではなく、
「今なら、別の関わり方も考えられる」
と思えることも、成長の一つではないでしょうか。
部下を育てる立場でも、自分自身は成長の途中にいる
管理職になると、部下の成長に目を向ける機会が増えます。
以前より何ができるようになったのか。
どのような仕事を任せられるようになったのか。
どのような強みが見えてきたのか。
次に、どのような経験が必要なのか。
一方で、自分自身の変化には気づきにくいものです。
以前より、部下の話を待てるようになった。
答えを伝える前に、相手の考えを聞くようになった。
問題が起きたときに、すぐに原因を決めつけなくなった。
自分とは違う方法でも、可能性があれば試してもらえるようになった。
こうした変化も、マネージャーとしての成長です。
キャリアコンサルタントの視点で考えても、成長は昇進や資格取得など、目に見える変化だけではありません。
人との関わり方が変わること。
以前とは違う視点で、自分の経験を捉えられるようになること。
選べる行動が増えること。
それも、仕事を通じた成長だと思います。
納得できない経験を、無理に前向きに考える必要はない
成長という言葉には、何でも前向きに受け入れなければならないような印象があるかもしれません。
つらかった出来事も、
「良い経験だった」
と言えるようにならなければ、成長していないように感じる人もいると思います。
しかし、私は、すべての経験を無理に良いものへ変える必要はないと考えています。
今も納得できないことがある。
思い出すと、気持ちが落ち着かない経験がある。
まだ、自分の中で答えが出ていない。
そのような経験があってもよいと思います。
大切なのは、気持ちを無理に消すことではありません。
答えの出ていない経験について、
「自分は、あのとき何を考えていたのだろう」
「今の自分なら、何を見るだろう」
と、別の視点から考え続けることです。
すぐに結論を出せなくても、自分の経験に向き合い続けることが、次の気づきにつながる場合があります。
まずは、自分が変えてきたことを振り返ってみる
管理職は、人を育てる立場です。
同時に、部下やチームとの関わりを通して、自分自身も育っている立場です。
自分のできていないことばかりを探す必要はありません。
まずは、管理職になった頃と現在を比べてみてください。
部下の話の聞き方は、どのように変わったでしょうか。
問題が起きたときの考え方は、以前と同じでしょうか。
部下へ答えを伝える場面と、本人に考えてもらう場面を、どのように選んでいるでしょうか。
うまくいかなかった経験から、何を変えてきたでしょうか。
部下の成長を見るように、自分自身の変化にも目を向けてみる。
そこから、次に考えたいことが見えてくるかもしれません。
まとめ
管理職になった時点で、マネージャーとして完成しているわけではありません。
経験を使って判断し、必要なことを伝えるのは、マネージャーに求められる大切な役割です。
一方で、その経験や答えが、部下の考える機会を減らしてしまうこともあります。
良かれと思った関わりがうまくいかなかったとき、過去の自分をすべて否定する必要はありません。
そのとき何を考え、部下がどのように受け取り、別の関わり方はなかったのかを振り返る。
そこで得た気づきを、次の関わり方へ生かす。
その積み重ねによって、マネージャー自身も成長していきます。
皆さんは、管理職になってから、どのような部分が変わったでしょうか。
できなかったことだけでなく、これまでに変えてきたことにも目を向けてみてはいかがでしょうか。
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