個人育成とチーム運営では、見る視点を変える

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成果を出す思考プロセス

誰かの弱みを埋めるのではなく、成果に必要な力をチームから引き出す

ブログ記事のポイント

  • 個人を育成するときには、本人が目指す役割と、そこに必要な力を考えます
  • チームを運営するときには、チームの目標と成果に必要な活動から考えます
  • 誰かの弱みを、別の人の強みで補うことだけがチーム運営ではありません
  • 得意な人へ意見を求めるのは、チームの課題に必要な知恵を集めるためです
  • マネージャーには方向と役割を整えたうえで、メンバーを信頼することが求められます

こんにちは。

キャリアコンサルタントのみってるです。

今日は、

「個人育成とチーム運営では、見る視点を変える」

というテーマで考えてみます。

昨日は、

「弱みは、すべて克服しなければならないのか」

という話をしました。

次の役割を目指すときには、その役割に必要な力を確認し、不足している力があれば、弱みにも向き合う必要があります。

一方で、弱みの克服ばかりに意識が向くと、本人が持っている強みや、これまで出してきた成果が見えにくくなることがあります。

では、チームを運営するときにも、一人ひとりの強みと弱みを組み合わせ、

「この人の弱みを、別の人の強みで補おう」

と考えればよいのでしょうか。

論理的には、そのような考え方もできると思います。

しかし、私は実際のチーム運営では、少し違う見方をしていました。

個人育成では、本人が目指す役割から考える

個人を育成するときには、まず本人が今後どのような役割を目指しているのかを考えます。

現在の仕事を、より高い水準でできるようになりたいのか。

係長や課長など、周囲へ働きかける役割を目指しているのか。

専門性を高め、その分野でチームへ貢献したいのか。

目指す役割によって、必要になる力は変わります。

例えば、係長や課長などの役割を目指すのであれば、自分一人で成果を出すだけでなく、周囲へ働きかける力も必要になります。

自分の考えを伝える。

ほかの人の意見を聞く。

必要な協力を求める。

メンバーの考えをまとめる。

チームの活動を前へ進める。

もし、その力がまだ十分でなければ、日常業務の中で経験を積んでもらう必要があります。

チーム内の取りまとめ役を経験してもらう。

会議で意見をまとめてもらう。

成功事例を整理し、ほかのメンバーへ共有してもらう。

これは、本人が次の役割へ進むために必要な経験を考える、個人育成の視点です。

チーム運営では、目指す成果から考える

一方、チームを運営するときには、最初に一人ひとりの強みと弱みを並べて考えていたわけではありません。

まず考えるのは、

「チームとして何を目指すのか」

ということです。

どのような成果を出す必要があるのか。

その成果を出すために、どのような活動が必要なのか。

活動を進めるために、どのような役割が必要なのか。

そして、誰にその役割を担ってもらうのか。

こうした順番で考えていました。

役割を担ったメンバーには、自分の力を十分に発揮してもらい、活動を結果へつなげてほしいと思っていました。

その過程で、それぞれが持っている強みは自然に発揮されます。

人の話を丁寧に聞ける人は、お客様の考えや困りごとを深く確認できます。

情報を整理することが得意な人は、複雑な状況を分かりやすくまとめられます。

周囲へ声をかけることが得意な人は、必要な協力を集められます。

行動力のある人は、決まったことを早く実行へ移せます。

私は、

「あなたの強みで、あの人の弱みを補ってください」

と考えていたわけではありません。

一人ひとりが持っている力を十分に発揮し、その力をチームの成果につなげてほしいと考えていました。

「弱みを補う」と考えると、人を固定して見ることがある

チームでは、お互いに助け合うことが必要です。

誰かが苦手なことを、得意な人が支える場面もあります。

そのこと自体に問題があるわけではありません。

ただ、マネージャーが、

「この人は、ここが弱い人」

「この人は、その弱みを補う人」

と決めてしまうと、一人ひとりを固定した見方で捉える可能性があります。

弱みがある人として見られたメンバーは、いつまでも支援される側になるかもしれません。

強みを持つ人として見られたメンバーには、同じ役割ばかりが集まるかもしれません。

本人の成長によって、できることが変わる場合もあります。

これまで目立たなかった力が、仕事の経験を通じて表れることもあります。

チームの状況や目指す成果が変われば、必要な役割も変わります。

だからこそ、誰の弱みを誰の強みで補うかだけで、チームを考えないことが大切だと思います。

チームの弱い部分には、得意な人の知恵を借りる

チームとして活動していると、進め方に弱い部分が見つかることがあります。

計画は決まっているのに、活動が思うように進んでいない。

お客様への情報提供に、改善が必要になっている。

現場から集まった情報を、十分に活用できていない。

一部のメンバーだけが動き、チーム全体へ広がっていない。

このようなときには、その分野が得意なメンバーへ意見を聞いていました。

「この活動を、どのように進めればよいと思いますか」

「お客様の理解を深めるために、何を変えればよいでしょうか」

「あなたの担当先では、どのような方法がうまくいきましたか」

得意な人の経験や考えを聞き、チームで共有します。

ただし、これは誰かの弱みを、その人に補ってもらうためではありません。

チームが抱えている課題に対して、必要な知恵や力を集めるためです。

得意な人の意見を聞く。

ほかのメンバーも、自分の経験や情報を出す。

集まった意見をもとに、チームで方法を考える。

決めたことを、それぞれの担当先で実行する。

その結果を再び共有し、必要であれば活動を見直す。

一人では考えられなかった方法を、チームで考えられることに、チームで仕事をする意味があるのだと思います。

得意な人だけに任せて終わらせない

ある分野が得意な人に意見を求めると、その人へ仕事が集中することがあります。

「この人が得意だから、全部任せよう」

という状態です。

それでは、チームの知恵として広がりません。

得意な人が休んだり異動したりすれば、同じ活動ができなくなる可能性もあります。

大切なのは、得意な人にすべてを任せることではありません。

その人が持っている経験や考えを、チーム全体で活用できるようにすることです。

なぜ、その方法を選んだのか。

どのような点を確認しているのか。

何を見て、次の行動を決めているのか。

結果だけでなく、考え方や工夫も共有してもらいます。

ほかのメンバーは、その方法を自分の仕事へそのまま当てはめるのではなく、自分が担当する状況に合わせて活用します。

得意な人の力を入り口として、チーム全体の活動の質を高めていく。

そのような使い方が必要だと思います。

マネージャーは、チームが力を発揮できる状態を整える

チームの力を引き出すために、マネージャーが担う役割があります。

まず、チームが進む方向を示すことです。

何を目指すのか。

なぜ、その成果が必要なのか。

どのような状態になれば、目標へ近づいたと言えるのか。

方向が分からなければ、メンバーはそれぞれ違う場所を目指して活動することになります。

次に、成果を出すために必要な役割を整えます。

誰に、どの役割を担ってもらうのか。

ほかのメンバーと、どのように連携するのか。

どの段階で報告や相談をしてもらうのか。

活動を始める前に確認します。

活動が始まった後は、実行できているか、成果につながっているかを見ます。

問題が起きた場合に、どのような影響があるのかを考え、リスクを管理します。

必要なときには、早めに支援へ入ります。

ここまで整えたら、あとはメンバーを信頼し、それぞれに力を発揮してもらうことが大切です。

マネージャーがすべての方法を決め、細かく動かすのではありません。

方向と役割を示し、必要な支援を行ったうえで、メンバーの考えと行動を生かします。

同じ役割でも、見る目的によって意味が変わる

一人のメンバーに、チーム内の取りまとめ役を任せたとします。

個人育成の視点で見れば、周囲へ働きかける力を身につけてもらう経験になります。

チーム運営の視点で見れば、活動を円滑に進め、チームとして成果を出すための役割になります。

任せている仕事は同じでも、見る目的によって確認することは変わります。

個人育成では、

本人がどのように周囲へ働きかけたのか。

これまでより何ができるようになったのか。

次に、どのような経験が必要なのか。

ということを見ます。

チーム運営では、

活動が計画どおり進んでいるのか。

必要な情報が共有されているのか。

メンバーが連携できているのか。

チームの成果へつながっているのか。

ということを見ます。

どちらか一方だけを見るということではありません。

今、自分は何を目的に、この役割や活動を見ているのか。

それを意識することが、視点を切り替える第一歩になります。

キャリアの成長と、チームへの貢献を分けて考える

キャリアコンサルタントとして人の成長を考えるときには、本人が今後どのような役割を目指すのかが大切になります。

現在の強みを、さらに伸ばしたいのか。

次の役割に必要な力を身につけたいのか。

弱みだった部分を、仕事へ支障がない水準まで改善したいのか。

本人の目標によって、必要な経験や支援は変わります。

一方、チームへの貢献を考えるときには、本人の成長だけではなく、現在持っている力をどのように成果へつなげるかを考えます。

本人のキャリアを考える視点。

チームの成果を考える視点。

この二つを混ぜてしまうと、本人の成長のために与えた役割なのか、チームの成果を出すために必要な役割なのかが曖昧になることがあります。

目的を分けて考えたうえで、両方につながる役割をつくることができれば、本人の成長とチームの成果を同時に目指せるのではないでしょうか。

まとめ

個人を育成するときには、本人が目指す役割を確認します。

その役割に必要な力が不足していれば、弱みにも向き合い、日常業務の中で経験を積んでもらいます。

一方、チームを運営するときには、まずチームとして目指す成果を考えます。

成果を出すために、どのような活動が必要なのか。

どのような役割を整える必要があるのか。

誰に、その役割を担ってもらうのか。

そこから考えます。

誰かの弱みを、別の人の強みで補うことだけがチーム運営ではありません。

一人ひとりが持っている力を十分に発揮し、チームの成果へつなげることが大切です。

チームの活動に弱い部分が見つかったときには、その分野が得意な人の知恵を借ります。

それは、誰かの弱みを補ってもらうためではありません。

チームの課題を解決するために、必要な知恵と力を集めるためです。

マネージャーは、チームが進む方向を示す。

必要な役割を整える。

活動が成果につながっているかを確認する。

リスクを管理し、必要なときには早めに支援する。

そのうえで、メンバーを信頼し、一人ひとりに力を発揮してもらいます。

個人を育成するときには、本人の強みと弱みを見る。

チームを運営するときには、成果に必要な力をチームの中から引き出す。

同じメンバーを見ていても、目的によって見る視点は変わります。

皆さんは、部下一人を育てる場面と、チームとして成果を出す場面で、見る視点を切り替えているでしょうか。

そして、一人ひとりが持っている力を、チームの成果へつなげられているでしょうか。

一度、日頃のチーム運営を振り返ってみてはいかがでしょうか。


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