空気は意識ではなく、「当たり前の基準」でつくられる

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マネジメント

「頑張ろう」では変わらない、チームの行動を変える考え方

ブログ記事のポイント

  • 職場の空気は、仲の良さや雰囲気だけを表すものではありません
  • 「このくらいできるのが普通」という基準が、日々の行動に影響します
  • 「頑張ろう」「意識を高く持とう」だけでは、受け取り方が人によって異なります
  • 目指す基準が明確になると、メンバーは毎日の仕事の質を考えやすくなります
  • マネージャーには、基準を示し、自ら実践し、繰り返し伝える役割があります

こんにちは。

キャリアコンサルタントのみってるです。

今日は、

「空気は意識ではなく、当たり前の基準でつくられる」

というテーマで考えてみます。

昨日は、同じ会社や同じ部門であっても、チームによって当たり前が違うという話を書きました。

何かあれば、すぐに報告する。

困ったときには、早めに相談する。

お客様から相談されたら、できるだけ早く対応する。

そのような行動が自然にできているチームもあれば、そうではないチームもあります。

では、その違いはどこから生まれるのでしょうか。

私は、その答えの一つが「基準」にあると考えています。

ここでいう基準とは、会社の規則や仕事の手順だけを指すものではありません。

「このチームでは、このくらいできるのが普通だよね」

とメンバーが感じている、行動の質やレベルのことです。

同じ仕事でも、当たり前のレベルは違う

同じ仕事をしていても、どこまでやれば十分と考えるかは、人によって違います。

依頼された資料を期限までに提出すればよいと考える人もいます。

相手が使いやすいように、見やすさや分かりやすさまで考える人もいます。

お客様から質問されたとき、その場で答えられる範囲だけ説明する人もいます。

必要な情報を調べ、相手が次に困りそうなことまで考えて情報を提供する人もいます。

どちらも、表面上は仕事をしています。

しかし、仕事の質には違いがあります。

その違いを生むのが、

「このくらいまでやるのが普通だ」

という本人やチームの中にある基準です。

高い基準を持って仕事をしている人にとっては、もう一歩調べることや、相手の立場を考えることは特別な努力ではありません。

それが普段の仕事だからです。

反対に、求められる基準が分からなければ、自分なりの判断で仕事を終えることになります。

それぞれが一生懸命に取り組んでいても、行動の質に違いが生まれる可能性があります。

全国大会を目指すチームには、全国大会の基準がある

スポーツを考えると、基準の違いが分かりやすいと思います。

テレビで全国大会を目指す高校の部活動が紹介されていると、

「ここまで練習するのか」

と驚くことがあります。

練習時間が長いだけではありません。

準備や後片づけにも手を抜かない。

一つひとつの動きを細かく確認する。

練習が終わった後にも、自分たちの課題を振り返る。

体調管理や食事にも気を配る。

外から見ると、特別なことをしているように見えます。

しかし、そのチームの選手にとっては、特別なことではないのかもしれません。

全国大会で勝つためには、そのくらい取り組むのが当たり前だからです。

全国大会を目指すチームには、全国大会を目指すチームの基準があります。

地域の大会への出場を目指すチームとは、日頃の練習に求めるレベルが違います。

大切なのは、どちらが良いか悪いかという話ではありません。

自分たちが何を目指すのかによって、必要となる基準が変わるということです。

目指す場所と、日々の行動の基準はつながっています。

高いレベルに触れると、自分の基準が変わる

日本のトップ選手が、海外へトレーニングに行くことがあります。

新しい技術や練習方法を学ぶことも、目的の一つだと思います。

しかし、それだけではありません。

世界のトップ選手が、どのような準備をしているのか。

練習中に、どこまで細かい部分にこだわっているのか。

練習以外の時間を、どのように過ごしているのか。

そのレベルを実際に見ることにも、大きな意味があります。

高いレベルの環境に身を置くと、それまで特別だと思っていたことが、そこでは普通に行われていると気づきます。

周りの選手が当たり前のように取り組んでいれば、自分も同じレベルで取り組むようになります。

それまで自分が持っていた基準が、少しずつ変わっていくのです。

これは、スポーツだけの話ではありません。

職場でも、周囲がどのような基準で仕事をしているかによって、一人ひとりの行動は変わります。

相談への対応が早い職場では、早く対応することが普通になります。

情報を深く調べる職場では、表面的な情報だけを伝えることに物足りなさを感じるようになります。

お互いに意見を出し合う職場では、黙って指示を待つより、自分の考えを伝えることが当たり前になります。

環境の中にある基準が、人の行動に影響しているのだと思います。

「頑張ろう」だけでは、行動の違いが生まれる

職場では、

「もっと頑張ろう」

「意識を高く持とう」

「お客様を大切にしよう」

という言葉を使うことがあります。

どれも間違った言葉ではありません。

ただ、この言葉だけでは、具体的に何をすればよいのかが分かりません。

「頑張る」という言葉から、訪問件数を増やすことを考える人もいます。

一件一件の準備を丁寧にすることを考える人もいます。

仕事の時間を長くすることだと受け取る人もいるかもしれません。

「意識を高く持つ」という言葉も同じです。

何に対する意識を高くするのか。

その結果、どのような行動を取るのか。

そこが明確になっていなければ、受け取り方は人によって変わります。

マネージャーは「伝えた」と考えていても、メンバーはそれぞれ違う行動を取ることになります。

本人たちは、それぞれ自分なりに頑張っています。

それでもチームとして見たときには、仕事の質にばらつきが生まれます。

だからこそ、意識を求めるだけではなく、

「私たちは、どのような行動を当たり前にしたいのか」

を伝える必要があるのだと思います。

「最初に相談される営業マン」という基準

私は営業の仕事をしていた頃、チームで目指したい基準について繰り返し話していました。

その一つが、

「まず最初に相談される営業マンになろう」

というものでした。

お客様が何かに困ったとき、誰に相談しようと考えるのか。

新しいことを始めようとしたとき、誰の意見を聞こうと思うのか。

そのときに、最初に思い出してもらえる営業担当者になる。

これが私たちの目指していた基準の一つでした。

もちろん、名刺を渡して訪問を続けるだけでは、最初に相談される存在にはなれません。

相手の話を丁寧に聞く。

質問を受けたら、できるだけ早く対応する。

分からないことがあれば調べる。

相手が必要とする情報を考える。

小さな相談にも、きちんと対応する。

こうした行動を積み重ねる必要があります。

「売上を上げよう」という目標だけでは、毎日の行動を具体的にイメージしにくいことがあります。

しかし、

「最初に相談される営業マンになろう」

という基準があれば、今日の自分の対応を振り返ることができます。

「今日の対応は、次も相談したいと思ってもらえるものだっただろうか」

「返事を後回しにしていなかっただろうか」

「相手が本当に困っていることを聞けていただろうか」

そのように、普段の行動を考えるきっかけになります。

業界トップレベルの情報提供を目指す

もう一つ、繰り返し話していたことがあります。

それは、

「業界トップレベルの情報提供をしよう」

ということです。

ただし、「トップレベル」という言葉も、そのままでは曖昧です。

情報の量が多ければよいのか。

最新の情報であればよいのか。

専門的な説明ができればよいのか。

お客様の状況によって、役に立つ情報は変わります。

そのため、この基準を持つと、毎日の仕事の中で自分に問いかけるようになります。

「この情報だけで十分だろうか」

「もっと相手の役に立つ情報はないだろうか」

「この説明で、本当に分かりやすいだろうか」

「資料を渡すだけでなく、相手が活用できるところまで説明できているだろうか」

基準があることで、言われた仕事を終えることだけではなく、仕事の質を考えるようになります。

すぐに業界トップレベルになれるわけではありません。

それでも、そのレベルを目指して毎日の行動を振り返ることで、少しずつ仕事の質は上がっていきます。

目指す基準がなければ、

「資料を渡したから終わり」

「質問に答えたから十分」

となるかもしれません。

基準があるからこそ、もう一歩先を考えられるのです。

繰り返すことで、基準がチームの空気になる

私は新しくつくられたチームで仕事をしたことがあります。

新しいチームですから、最初から共通する空気があったわけではありません。

仕事の経験も、考え方も違うメンバーが集まっていました。

そこで、私たちは、

何を目指すのか。

どのような行動を大切にするのか。

仕事が終わったとき、何を振り返るのか。

そうしたことを繰り返し話していました。

一度説明すれば伝わるものではありません。

マネージャーが自分で実践する。

メンバーが実践する。

うまくいったことを共有する。

うまくいかなかったことを振り返る。

必要に応じて、もう一度基準を確認する。

その積み重ねによって、少しずつチームの行動がそろっていきました。

困ったら早めに相談する。

失敗したら隠さずに報告する。

必要な情報を整理したら、早く動く。

対応が終わったら、次に生かすために振り返る。

こうした行動が、誰かに指示されなくても行われるようになります。

そこまで続いて初めて、

「このチームでは、これが当たり前だ」

という空気ができたのだと思います。

職場の空気は、仲の良さだけではない

職場の空気が良いというと、

メンバー同士の仲が良い。

会話が多い。

笑顔がある。

働きやすい。

そのような状態を思い浮かべるかもしれません。

もちろん、それも大切です。

しかし、職場の空気は、単に仲が良いことや雰囲気が明るいことだけではありません。

仕事において、どのような行動が当たり前になっているのか。

どの程度の質が求められているのか。

何をしたときに周囲から認められるのか。

どのような行動は見過ごされないのか。

そうした基準も、職場の空気をつくっています。

仲が良くても、困っているお客様への対応が遅い職場はあります。

会話が多くても、誰も失敗を報告しない職場もあります。

反対に、厳しい目標を持ちながら、お互いに支え合い、困ったときにはすぐに助けを求められるチームもあります。

空気を考えるときには、雰囲気だけではなく、

「この職場では、どのような行動が普通になっているのか」

を見る必要があるのだと思います。

マネージャーは基準を示し、自ら実践する

マネージャーの役割は、

「職場の空気を良くしよう」

と呼びかけることだけではありません。

チームとして、どのような行動を当たり前にしたいのか。

どのくらいの仕事の質を目指すのか。

その基準を、メンバーが理解できる言葉で示すことが必要です。

そして、言葉で伝えるだけでは十分ではありません。

マネージャー自身が、その基準に沿って行動することも求められます。

「相談は早めに」と伝えながら、自分が問題を抱え込んでいないか。

「お客様には早く対応しよう」と伝えながら、自分の返事が遅くなっていないか。

「失敗は報告してほしい」と伝えながら、報告を受けたときに責めることから始めていないか。

メンバーは、マネージャーの言葉だけではなく、実際の行動を見ています。

基準を示す。

自分も実践する。

繰り返し伝える。

実践した結果を振り返る。

その積み重ねによって、基準がチームの当たり前になっていくのではないでしょうか。

まとめ

職場の空気は、意識だけでつくられるものではありません。

「頑張ろう」

「意識を高く持とう」

「良いチームにしよう」

と呼びかけるだけでは、人によって受け取り方が変わります。

大切なのは、

「このチームでは、どのような行動を当たり前にしたいのか」

「どのくらいの仕事の質を目指すのか」

という基準を共有することです。

全国大会を目指す部活動には、その目標に合った練習の基準があります。

世界のトップレベルに触れた選手は、そこで行われている準備や練習を知り、自分の基準を変えていきます。

職場も同じです。

「まず最初に相談される営業マンになる」

「業界トップレベルの情報提供をする」

そのような目指す基準があれば、毎日の行動を振り返ることができます。

この対応で、本当に十分だったのか。

もっと相手の役に立つ方法はなかったのか。

次に相談してもらえる対応ができたのか。

そうした問いが、仕事の質を少しずつ高めていきます。

マネージャーには、基準を示し、自ら実践し、繰り返し伝える役割があります。

その基準に沿った行動をチーム全員が積み重ねることで、

「このチームでは、これが普通だ」

という当たり前が育っていきます。

それが、職場の空気になるのだと思います。

皆さんの職場には、

「このチームでは、これが当たり前です」

と胸を張って言える基準があるでしょうか。

そして、その基準は、チームと一人ひとりの成長につながるものになっているでしょうか。

一度、日頃の行動を振り返ってみてはいかがでしょうか。


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