ブログ記事のポイント
- 役職を離れても、マネージャーとして積み重ねた経験は消えません
- 肩書だけを見ていると、役職を失ったときに何も残っていないように感じることがあります
- 人の話を聞き、強みを見つけ、成長を支援した経験は、別の仕事でも生かせます
- キャリアを振り返るときは、役職名ではなく、何を経験して何ができるようになったかを見ることが大切です
- マネージャーとしての成長は、役職を離れた後にも続いていきます
役職を離れたら、マネージャーとしての経験も終わるのか
マネージャーとして長く働いてきた人が役職を離れると、自分が積み重ねてきたものまで失ったように感じることがあります。
部下がいなくなる。
会議で判断を求められることがなくなる。
組織の方針を現場へ伝える役割から外れる。
名刺から役職名が消える。
周囲からの見られ方も変わるかもしれません。
そのような変化が重なると、
「これまでの経験は、もう役に立たないのではないか」
「マネージャーでなくなった自分に、何が残っているのだろう」
と考えることがあります。
私自身も、降格人事によってマネージャーという役割を離れ、別部門の営業担当になりました。
昨日までは管理職として部下やチームのことを考えていたのに、立場が変われば、求められる役割も変わります。
しかし、役職を離れたからといって、それまで積み重ねてきた経験まで消えるわけではありません。
役職は会社から与えられるものです。
一方で、その役職を通じて身につけた考え方や、人との関わり方は、自分の中に残ります。
そのことに気づくまでには、自分のキャリアを肩書ではなく、経験として振り返る必要がありました。
新規事業のために学び始めた人材・組織開発
私が新規事業に取り組み始めた頃、ビジネススクールへ通っていました。
当初は別の講座を受ける予定でしたが、途中で「人材・組織開発」というテーマへ変更しました。
組織改革や、新規事業に取り組む組織について学べば、実際の仕事に生かせると考えたからです。
新規事業では、これまでとは違う仕事の進め方が求められます。
会社が目指していることを理解し、現場で何をするのかを考える。
新しい環境に不安を感じている部下と関わる。
チームで成果を出すために、組織のあり方を考える。
そのような仕事を進めるうえで、人材や組織について学ぶことには意味があると思いました。
その講座の先生が、キャリアコンサルタントの資格を持っていました。
話を聞いて興味は持ちましたが、そのとき、すぐに自分も学ぼうと考えたわけではありません。
講座が終わる頃、ある本を読んでいると、キャリアコンサルタントについて書かれた記事が目に留まりました。
講座で聞いた話を思い出し、改めて調べ始めました。
一度聞いただけでは行動につながらなかったことが、別の機会に触れたことで、自分の中で意味を持ち始めたのだと思います。
部下の不安や迷いに、何かできることはないだろうか
キャリアコンサルタントについて調べる中で、特に気になったのが、人の話を聴き、その人自身が今後のキャリアを考えることを支援するという役割でした。
当時の職場では、新規事業への担当変更や、コロナ禍による環境の変化に不安を抱えている部下がいました。
これまで経験してきた仕事とは違う。
期待されていることも変わる。
活動しようとしても、思うように動けない。
先の見えない状況の中で、戸惑うことは自然なことだと思います。
中堅社員の中には、
「この会社で成長できるのか不安だ」
という理由で退職する人もいました。
新製品が発売された競合会社へ移る人もいました。
社員が会社を離れる理由は、一つではありません。
その人なりに考えた結果として、別の道を選ぶこともあります。
それでも、営業マネージャーとして成果を出すことだけでなく、こうした社員の不安や迷いに対して、何かできることはないだろうかと考えるようになりました。
キャリアコンサルタントを学ぶことで、その手伝いができるかもしれない。
営業とは別の形で、会社へ貢献できることがあるかもしれない。
その思いが、次の学びへ向かうきっかけになりました。
降格後の仕事を終えてから、自分の今後を考えようと思った
その後、私は降格を経験し、別部門の営業担当になりました。
役職を離れ、新しい分野で営業として働くことになりました。
新しい仕事で経験を積み、まずは目標を達成する。
その後で、自分の今後を考えようと思っていました。
新しい分野を学び、最終的には営業目標を達成しました。
ちょうどその頃、早期退職について考える機会が訪れました。
そこで、改めて自分のキャリアを振り返ることになりました。
学生の頃の私は、特別に何かができる人間ではありませんでした。
社会人になって営業を経験し、マネージャーになり、人を指導するようになりました。
自分一人で仕事をしていた時期から、部下やチームの成果について考える立場へ変わりました。
部下と話し、一人ひとりの強みや課題を考え、次にどのような仕事を経験してもらうのかを考えるようになりました。
少なくとも10人以上の昇進や昇格に関わってきました。
もちろん、昇進や昇格は、本人が努力して得た結果です。
マネージャーだけの力で実現したものではありません。
それでも、本人の成長を考え、必要な仕事や役割を一緒に考えてきた経験は、私の中に残っています。
役職を離れたことで、その経験がなくなるわけではありません。
肩書を外して考えると、残っているものが見えてくる
キャリアを考えるとき、
「どの会社で働いているか」
「どのような役職に就いているか」
に目が向きやすいと思います。
会社名や役職は、自分の仕事を分かりやすく説明してくれます。
「営業マネージャーです」
と言えば、組織をまとめ、部下を指導する立場だと伝わります。
しかし、役職だけで自分のキャリアを見ていると、それを失ったときに、何も残っていないように感じることがあります。
そこで必要になるのが、役職の中で自分が何をしてきたのかを振り返ることです。
人の話を聴くこと。
本人が持っている力を見つけること。
次の成長に必要な経験を一緒に考えること。
問題が起きたときに、状況を整理すること。
一人ではなく、チームで成果を上げるために考えること。
これらは、マネージャーという肩書がなければ使えないものではありません。
別の仕事や、別の立場でも生かすことができます。
私はキャリアコンサルタントについて学ぶ中で、これまで職場で行ってきたことが、別の形でも人の支援につながることに気づきました。
もちろん、マネージャーとして部下と関わることと、キャリアコンサルタントとして相談者を支援することは同じではありません。
新たに学ばなければならないこともありました。
それでも、これまでの経験が、次のキャリアと切り離されていたわけではありませんでした。
過去の経験を土台にしながら、新しい学びを重ねることで、別の形へ生かせるようになったのだと思います。
経験は、そのときには価値が見えないこともある
仕事をしている最中は、その経験が将来どのように役立つのか分からないことがあります。
目の前の問題に対応する。
部下の相談を受ける。
評価面談を行う。
会議で意見をまとめる。
その一つひとつを、
「将来のキャリアに生かそう」
と考えて取り組んでいたわけではありません。
日常業務として、必要なことに向き合っていました。
しかし、後から振り返ると、その経験同士がつながることがあります。
部下の話を聴いてきた経験。
本人の強みや課題を考えてきた経験。
成長に必要な仕事や役割を考えてきた経験。
その一つひとつが、キャリア支援を学ぶときの土台になっていました。
経験の価値は、その仕事をしているときだけで決まるものではないのかもしれません。
時間がたち、立場が変わり、新しいことを学んだときに、別の意味を持つことがあります。
役職を離れた後に初めて、
「この経験は、ほかの場所でも使えるのではないか」
と気づくこともあります。
次のキャリアへ持っていけるものを考える
キャリアを振り返るときには、役職名や実績だけでなく、その経験を通じて何ができるようになったのかにも目を向けてみてください。
マネージャーとして、どのような場面に向き合ってきたでしょうか。
誰の、どのような成長に関わってきたでしょうか。
問題が起きたとき、何を考え、どのように対応してきたでしょうか。
部下やチームとの関わりを通して、自分の考え方はどのように変わったでしょうか。
そして、その経験は、今の役職以外でどのように生かせるでしょうか。
すぐに答えが見つからなくても構いません。
役職を離れた後の仕事だけを考えるのではなく、これまで積み重ねてきたものを振り返るところから始めればよいと思います。
経験は、会社や役職の中に置いていくものではありません。
その経験をどのように捉え、次にどのように使うのかによって、新しいキャリアへつながっていきます。
まとめ
マネージャーという役職を離れたからといって、それまでに積み重ねてきた経験が終わるわけではありません。
役職や会社だけを見ていると、それを失ったときに何も残っていないように感じることがあります。
しかし、自分が何を経験し、何ができるようになり、誰にどのような影響を与えてきたのかまで振り返れば、次のキャリアへ持っていけるものが見えてきます。
私の場合は、新規事業に取り組む中で人材・組織開発を学び、キャリアコンサルタントという役割に関心を持ちました。
そして、自分のキャリアを振り返る中で、マネージャーとして人の成長を支援してきた経験が、別の形でも生かせることに気づきました。
マネージャー自身も成長の途中です。
そして、その成長は、役職を離れた後にも続いていきます。
皆さんがマネージャーとして身につけてきた力は、今の役職以外でどのように生かせるでしょうか。
一度、自分の経験を振り返ってみてはいかがでしょうか。
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