この記事のポイント
- 処方後の評価を確認する活動には、医師からの信頼を積み重ねるという狙いがあった
- 信頼がなければ十分に話を聞いていただけず、信頼があれば新しい情報も判断材料として受け止めていただける
- 信頼を築く活動を、優秀な営業担当者だけでなく組織全体で実践できるようにすることが経営者の役割
- 経営者は部長や組織の責任者との対話を通じて、会社の考え方が組織の行動につながっているかを確認する
- 目標達成を目指すことと、顧客からの信頼を積み重ねることは、対立するものではない
こんにちは。キャリアコンサルタントのみってるです。
昨日は、顧客が自社の商品やサービスを選ぶ理由を、組織として把握することの大切さについてお話ししました。
今日は、その顧客との関係を支える「信頼」について、経営者の視点から考えてみたいと思います。
評価を確認する活動の、もう一つの狙い
私は製薬会社で、営業組織のマネージャーをしていました。
当時、営業担当者が医師に製品の特徴や臨床データを説明し、実際に処方していただいた後、その評価を確認することを大切にしていました。
期待した効果が得られたのか。医師は、薬のどのような点を評価しているのか。そうした対話を通じて、医師の考えを理解し、処方する理由を明確にしていただく。
しかし、この活動には、もう一つ大切な狙いがありました。
それは、医師からの信頼を積み重ねることです。
「この担当者の情報は正確だ」
「自社製品に都合のよい話だけでなく、公平に説明してくれる」
「新しい情報を継続して届けてくれる」
そうした評価の積み重ねが、信頼につながります。
信頼があるかどうかで、情報の受け止め方が変わる
信頼がなければ、どれだけ説明しても、十分に話を聞いていただけないことがあります。
反対に、信頼関係が築かれていれば、新しい情報を一度説明するだけで、判断材料として受け止めていただけることもあります。
もちろん、最終的な判断は医師自身が行うものです。
信頼を築く活動は、優秀な担当者だけのものか
ここで、経営者の皆さんに考えていただきたいことがあります。
こうした信頼を築く活動は、優秀な営業担当者だけが行うものでよいのでしょうか。
私は、そうではないと思います。
顧客から信頼される活動を、組織全体で実践できるようにすること。これが、経営者にとって重要な役割だと考えています。
「信頼を大切にする」と伝えるだけでは足りない
例えば、会社として、正確な情報を提供することを大切にしているとします。
しかし、実際の営業現場では、売上を優先するあまり、商品に都合のよい情報ばかりを伝えている。あるいは、顧客からの質問に対して、十分に確認しないまま回答している。
このような活動が続けば、会社への信頼は損なわれてしまいます。
経営者が、どれだけ「顧客第一」や「信頼を大切にする」と伝えていても、それだけでは十分ではありません。
その考え方が、実際の活動に反映されていることが重要です。
部長や組織の責任者との対話で確認する
では、経営者は何をすればよいのでしょうか。
私は、部長や組織の責任者との対話が大切だと思います。例えば、
「顧客から、私たちの会社はどのように評価されているのか?」
「正確で公平な情報提供は、現場で徹底されているのか?」
「顧客からの信頼を高めるために、どのような取り組みをしているのか?」
こうしたことを確認する。そして、組織の責任者が、自分の部門でどのように取り組むのかを考え、実行する。
経営者が個々の営業担当者の活動まで指示する必要はありません。
経営者は、会社として大切にする考え方を示し、それが組織の行動につながっているかを確認する。その役割が重要だと思います。
目標達成と信頼の積み重ねは、対立しない
もう一つ、大切なことがあります。それは、短期的な成果と信頼の関係です。
10月も最終週となり、各部門では目標達成に向けて活動を進めていると思います。経営者として、目標達成を求めることは当然です。
しかし、その過程で、顧客からの信頼を損なうような活動が行われていないか。この視点も忘れてはいけません。
私は、目標達成を目指すことと、顧客からの信頼を積み重ねることは、対立するものではないと考えています。
正確な情報を提供する。顧客の声を聞く。約束を守る。必要な情報を継続して届ける。
そうした日々の活動によって信頼が生まれます。
そして、その信頼があるからこそ、次に新しい商品やサービスを提案したときにも、話を聞いていただける。
信頼は、これまでの活動の結果であると同時に、これからの成果を生み出す土台でもあるのです。
まとめ
顧客からの信頼は、日々の活動の積み重ねで生まれます。そして、その活動を一部の優秀な担当者だけでなく、組織全体で実践できるようにすることが、経営者の役割です。
経営者は、会社として大切にする考え方を示し、部長や組織の責任者との対話を通じて、それが組織の行動につながっているかを確認する。
最後に、皆さんに問いかけたいと思います。
「皆さんの会社では、顧客からの信頼を積み重ねる行動が、組織全体に定着していますか?」
そして、部長や組織の責任者は、そのために何を実行しているでしょうか。
目先の成果を追いかけるだけでなく、将来の成果につながる信頼も築いていく。そんな組織づくりを、経営者として大切にしていただきたいと思います。
▼ 昨日の記事:顧客が自社の商品を選ぶ理由を、組織として把握できていますか?
▼ 現場のマネージャーの視点では:顧客からの信頼を、日々の活動で積み重ねていますか?

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