任せることと決めること――メンバーの自主性を育てるマネージャーの線引き

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成果を出す思考プロセス

この記事のポイント

  • 自主性を大切にすることは、すべてをメンバーに決めさせることではない
  • チームとして「最優先で取り組むこと」はマネージャーが決め、全員が実行できる状態をつくる
  • それ以外の活動は、メンバー自身に考えてもらうことが成長につながる
  • 任せることと、丸投げすることは違う
  • 「決める」「任せる」「支援する」のバランスが、日常業務での成長を支える

こんにちは。キャリアコンサルタントのみってるです。

メンバーの自主性を大切にする。人材育成に関わる方なら、一度は意識したことがある言葉ではないでしょうか。

ただ、自主性を尊重するからといって、すべてをメンバーに決めさせればよいのでしょうか。私は、そうではないと考えています。

今日は、私が経験してきた営業組織を例に、「任せること」と「決めること」の区別について考えてみたいと思います。

自主性を尊重することと、すべてを任せることは違う

「メンバーの考えを尊重したい」
「上から押しつけるマネジメントはしたくない」

そう考えるマネージャーは多いと思います。その姿勢自体は、とても大切なものです。

ただ、何もかもをメンバーの判断に委ねてしまうと、チームとしてどこへ向かうのかが見えにくくなります。メンバー一人ひとりが一生懸命考えても、方向がばらばらでは、チームとしての成果にはつながりにくくなります。

自主性を大切にするからこそ、「どこまでを任せるのか」を考える必要があるのです。

すべての施策に同じ力は注げない

営業担当者は、複数の製品を担当することがあります。それぞれの製品にはプロモーション担当者がいて、販売促進のための方針や施策が示されます。

どれも会社として必要な取り組みです。

しかし、現場の時間や力には限りがあります。すべての施策に同じ力を注ぐことは、現実的にはできません。

このとき、メンバーに「全部大事だから、全部頑張って」と伝えるだけでは、どこに力を入れればよいのか迷ってしまいます。ここで必要になるのが、マネージャーの判断です。

マネージャーが「決める」こと

「私たちのチームでは、これを最優先に取り組む」

このように、チームとして必ず実行することを明確にする。これはマネージャーの役割です。

そして大切なのは、最優先と決めたことは、チーム全員が例外なく実行するということです。

方針を伝えるだけでは十分ではありません。理解していることと、実際にできることは違います。必要なトレーニングを行い、全員が一定水準以上の行動を取れるようにする。

マネージャーには、メンバーが「実行できる状態」をつくる責任がある。私はそう考えています。

メンバーに「任せる」こと

では、最優先と決めたこと以外の活動はどうするのでしょうか。

私は、ここでメンバー自身に考えてもらうことが大切だと思っています。

たとえば、自分の売上目標を達成するために、どの製品に力を入れるのか。どのお客様に、どのような活動を行うのか。よりよい成果を出し、よい評価を得るために、何に取り組むのか。

もちろん、会社として必ず守るべきルールや必要な業務は、実行することが前提です。そのうえで、自分の目標達成に向けた活動を、自分で組み立ててもらう。

自分で考え、判断し、行動する。この経験が、メンバーの成長につながっていくと私は感じています。

任せることと、丸投げすることは違う

ただし、ここで気をつけたいことがあります。それは、任せることと丸投げすることは違う、ということです。

「自分の目標なのだから、自分で考えて頑張ってください」

そう伝えるだけでは、十分なマネジメントとは言えません。

メンバーが考えた活動計画が、目標達成につながりそうかを確認する。活動を始めたら、進捗や手ごたえを聞く。必要であれば助言し、課題があれば一緒に考える。そして、成果につながるようにPDCAを回していく。

これは、最優先の取り組みでも、メンバーが自主的に考えた取り組みでも同じです。決めたことも、任せたことも、成果につながるように支援する。そこにもマネージャーの大切な役割があると考えています。

「決める」「任せる」「支援する」のバランス

マネージャーがすべてを決めてしまえば、メンバーが考える機会は少なくなります。

反対に、すべてを任せてしまえば、チームとしての方向性が曖昧になり、必要な支援も不足するかもしれません。

決めるべきことは決める。任せるべきことは任せる。そして、成果が出るように支援する。

メンバーは、自分で考え、判断し、行動する経験を積む。マネージャーは、その経験を支えながら、チームとして成果を目指す。

これが、私の考える「日常業務で成長する」ということです。

まとめ

自主性を大切にすることと、すべてをメンバーに任せることは違います。

チームとして最優先で取り組むことはマネージャーが決め、全員が実行できる状態をつくる。それ以外の活動はメンバー自身に考えてもらい、任せた後も成果につながるように支援する。

最後に、皆さんに問いかけたいと思います。

「チームとして必ずやることと、メンバー自身に考えてもらうことを、明確に分けていますか?」

そして、任せた仕事についても、成果につながるように支援できているでしょうか。

まずは、今のチームで「自分が決めていること」と「メンバーに任せていること」を思い浮かべてみてください。その線引きを振り返るだけでも、メンバーとの関わり方が少し変わってくるはずです。


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