ブログ記事のポイント
・反応が薄い若手=やる気がない、主体性がないわけではない
・大切なのは「状態の見立て」と「環境づくり」
・見立ては2タイプ──①理解しておらず動けない ②理解しているけど怖くて動けない
・主体性は「小さな反応」を拾うことで育つ
・メンターがつくるべきは、「話しても大丈夫」と思える安心の場
・4つのステップ=見立て → ハードルを下げる → 小さな反応を拾う → 言葉にして返す
タイプ別若手社員対応②
みなさん、こんにちは。キャリアコンサルタントのみってるです。
今日は、第4章の3回目として「反応が薄い若手・主体性が見えない若手への関わり方」についてお話しします。
このテーマは、電子書籍には直接書いていませんが、第3章までの内容──凹凸理解、若手がつまずくポイント──そして第4章でお伝えしている「見立て・関わり方・次のステップ」の考え方にそのままつながります。
現場でよくある悩みのひとつが、「反応が薄い若手=やる気がないの?」というもの。
ですが、実際はまったく違います。ここを誤解してしまうと、指導がかみ合わないまま終わってしまうんですね。
今日はそのあたりを、優しくわかりやすく整理していきます。
反応が薄くても「やる気がない」とは限らない
反応が薄い若手を見ると、多くの人がこう思います。
「主体性がないのかな?」
「考える気がないのかな?」
でも、私が多くの若手と関わってきた経験から言えるのは、
ただ“出せていないだけ” というケースが非常に多いということです。
例えばこんな背景があります。
・何が正解かわからず、発言を控えている
・間違えるくらいなら黙っていた方が安全と思っている
・どこまで踏み込んでいいのかわからない
・自分の意見に自信が持てない
・相手がどう受け取るか気になりすぎてしまう
つまり、主体性がないのではなく、
主体性を出しにくい状態にいるだけ なのです。
ここを見余らずに受け止めることが、メンターとしての最初のスタート地点です。
まず「見立て」をする──状態により関わり方は真逆になる
反応が薄い若手に対して、メンターが最初に行うのは「見立て」です。
この見立てがズレてしまうと、どれだけ丁寧に関わっても成果が出にくいです。
見立てるポイントは2つ。
- 理解していなくて反応できないタイプ
情報が整理できず固まっている状態です。
頭が真っ白で動けない、という若手もよくいます。 - 理解しているけれど反応が怖いタイプ
間違えるリスクを避けている状態です。
過去の経験から「言わない方が安全」と思っていることもあります。
この2つは、同じ“反応が薄い”に見えますが、関わり方はまったく変わります。
だからこそ、メンターの最初の仕事は「どちらのタイプかを見立てること」なのです。
どう関わるのか──鍵は「環境づくり」
主体性が見えない若手に対して、
「もっと意見を言って」「自分で考えてみて」
と強めに促しても、実はほとんど効果がありません。
必要なのは、
安心して反応できる状態をつくること
です。
そのために効果的なのが、ハードルを下げる声かけ。
・思ったことを一言でいいよ
・どちらか迷ったら “こっちかな?” で大丈夫
・100点じゃなくていいから仮で話してみよう
・途中で変わっても全然いいからね
こうした言葉があるだけで、若手は一歩出しやすくなります。
主体性とは、いきなり大きな意見を言えることではありません。
小さな反応を出せることが第一歩 です。
小さな反応を拾う──主体性が育つ瞬間
反応が薄い若手の主体性を育てるために、メンターが必ず意識したいのが
小さな変化や反応を見逃さないこと。
例えば──
・うなずいた
・目線が変わった
・メモを取った
・一瞬だけ前のめりになった
・何か言いかけた
こうしたサインを見つけたら、優しく言葉にして返します。
「今、少し気づいた表情をしたね。どう思った?」
「メモ取ったね。どの部分が残った?」
若手は「自分の変化に気づいてもらえた」と感じると、
安心して言葉にしやすくなります。
これが主体性の芽になります。
今日のまとめ
今日お伝えしたいことは一つです。
反応が薄い若手は、主体性がないのではない。
主体性を出しにくい環境にいるだけです。
だからこそ、メンターの役割は
主体性が出てくる“場”や“空気”をつくること。
そのための4つのステップは、次の通りです。
- 状態を見立てる
- ハードルを下げる
- 小さな反応を拾う
- 言葉にして返す
明日からの育成の場で、ぜひ意識して使ってみてください。
今日のお話が、あなたの育成や関わりのヒントになれば嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
【ブログまとめ】
・反応が薄い若手は、主体性が欠けているのではない
・“出しづらい理由”が背景にある
・最初に行うべきは「状態の見立て」
・安心して反応できる環境づくりがすべての土台
・主体性は“小さな反応”から育つ
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