フォローアップ活動として、キャリアコンサルティング面談のセッションが終了したら、そのフィードバックの観点から、キャリアコンサルタント及び人事部門は以下を行います。
実施後のフォローアップはより良い改善につながりますので、しっかりとサポートをする必要があります。
この記事は、厚労省が発信しているデータを元に作成しています。
セルフ・キャリアドックの結果報告
人事担当者でキャリアコンサルタントの資格を持っている方が、面談した場合には2つの立場での報告を実施することになると思います。キャリアコンサルタントと人事部門としての立場です。
キャリアコンサルタント
キャリアコンサルタントは、面談の内容に基づいて個別の報告書を作成します。この報告書には、個人のキャリア意識に関する課題、職場環境、組織内の問題などが含まれます。
これらの報告書は他のキャリアコンサルタントと共有され、スーパーバイザーによる品質向上のために活用されます。
全体報告書は、個別の従業員が特定されないように注意が払われ、面談対象者全体の傾向や組織的な課題、解決策、従業員育成策に関する提案が含まれます。
また、生命や安全に関わる内容や組織的対応が必要な事項については、適切な対応が行われます。
これにより、自己キャリア評価の信頼性と効果が向上すると考えられます。
人事部門
人事部門は、キャリアコンサルタントからの報告を受け取り、以下の情報をまとめて経営層に報告します:
- 従業員のキャリア意識の傾向や個人的課題、組織的な課題に対する解決策、従業員育成策に関する提案が含まれる全体報告書。
- 対象者の同意を得て報告された重要な事案とその解決策。
セルフ・キャリアドックは導入からあまり時間が経っていないため、各企業が試行錯誤しながら進めています。
厚労省の資料を基に、このブログの内容も記載していますが、自社に合わせてカスタマイズすることで実行度が向上すると考えられます。
セルフ・キャリアドックのフォローアップ活動
セルフキャリアドックのフォローアップ活動は下記に記載します。書いている内容以外にもあるかもしれません。
重要なポイントは、企業として導入するのであれば成果を出さなければなりません。実施した後に変化が見られない。成果が確認できないでは企業としての信頼も失いかねないと思います。
新しいことを導入する時の成功のポイントはあると思います。
追加的キャリアコンサルティング面談
必要に応じて、さらにキャリアコンサルティング面談を実施します。結果の把握などの手続きは、前回の『個別のキャリアコンサルティング面談の効果把握』に準じて行われます。
上司へのコンサルテーション
対象者の上司と連携し、面談前後の変化や仕事ぶりについて話し合います。また、対象者の同意を得て結果をフィードバックし、上司からのサポートを受けることも重要です。
キャリアへの取り組みは、一人で継続するのが難しい場合があり、その際には上司の関与が重要な役割を果たします。このため、上司には事前にキャリアコンサルティングの意義・手法を十分に理解してもらう必要があります。
関連部署との連携
自己キャリア評価は従業員の意識やモチベーションを高めることを目的としています。
このプロセスにより、企業の人材獲得や定着率、生産性が向上し、さまざまな人材育成上の課題にも対応できます。
しかし、精神保健上の問題が発見された場合は、適切な専門家や機関への紹介が検討されます。
組織的な改善措置の実施
事業主による労働者へのキャリアコンサルティングの機会の確保は職業能力開発法で規定された措置であり、それゆえ、経営理念や人材育成方針の中で明文化されていることが求められます。
キャリアコンサルティングの結果、組織としての検討課題が出てきた場合は、しっかりとした対応を行うことが重要です。
セルフ・キャリアドックの継続的改善
セルフ・キャリアドックを毎年より良い仕組みにするために、継続的な改善を行います。
キャリアコンサルタントは、人事部門や関連部門と協働して活動し、人事部門はキャリアコンサルタントと共に対象従業員やその上司に対してアクションを起こします。
キャリア意識や仕事ぶりに変化が出たかどうかを定期的にモニターし、追加的なキャリアコンサルティング面談や翌年のキャリアコンサルティング面談でレビューすることが推奨されます。
フォロー活動のまとめ
キャリアコンサルタントは面談内容に基づき、個人のキャリア意識や職場環境、組織内の問題に関する個別報告書を作成します。
これらの個別報告書は総合的にまとめられ、個人を特定しない形で人事部門を通じて経営層に報告され、組織的な課題や解決策が提案されます。
必要に応じて追加のキャリアコンサルティング面談が行われ、個々の状況に合わせたフォローアップが提供されます。
従業員へのフォロー活動は上司と連携して進められ、キャリアに関する理解や支援が促進されます。
セルフ・キャリアドックは定期的に改善され、人事部門がキャリアコンサルタントと連携しながら、従業員の成長をサポートします。