今日のブログのポイント
文化というと「伝統」や「芸術」を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、
組織や職場にも「文化」はあります。
それは、ルールや制度ではなく、日々の会話や行動の積み重ねから生まれるものです。
そして組織文化・職場文化には、変わらない部分と、時代や人に合わせて変わっていく部分があります。
今回は、私が実際に経験した職場の変化を通して、
「職場文化はどうやって育っていくのか」について考えてみたいと思います。
職場にも文化がある
こんにちは。キャリアコンサルタントのみってるです。
今日は文化の日ということで、「職場文化」について話してみたいと思います。
文化と聞くと、美術館や伝統芸能などを思い浮かべる方も多いと思います。
でも、会社の中にも確かに文化があります。
それはマニュアルや制度で決まるものではなく、
日々のやりとりや、小さな行動が積み重なってできていくものです。
職場の文化には、「根本として変わらない部分」と「時代や環境に合わせて変化していく部分」があります。
たとえば、どんな価値観を大切にしているか、どういう行動が“よし”とされているか。
それは会社によっても、チームによっても少しずつ違いますよね。
私の経験した“営業文化”
私が以前勤めていた会社は、営業がとても強い会社でした。
いわゆる「営業文化」が根づいていて、そこには独特の雰囲気がありました。
たとえば、得意先から困りごとの相談があったとき、
「他社の営業マンに相談されるのは恥ずかしい」といった空気がありました。
裏を返せば、「お客さんが真っ先に相談してくれる営業マンでなければならない」
という価値観です。
これは会社の中でも、長く変わらない根っこの部分でした。
一人ひとりが真剣に成果を出そうとする姿勢は、間違いなくこの文化が育てたものです。
ただ一方で、もう一つの側面もありました。
「決定事項をやれていない人に対して、なぜできていないのかと責める空気」です。
結果を出そうと必死に頑張っているのに、
相談しづらく、支え合いにくい雰囲気があったのも事実です。
責める文化から“支え合う文化”へ
そんな職場も、ある時期を境に少しずつ変わっていきました。
きっかけは、数字を出して現場の状況を見える化したことでした。
会社から「このデータを見て、次の対策を考えてください」というメッセージが届きました。
それまでは、「できていないこと」を問題視する会議が多かったのですが、
その時から「どうしたら全員ができるようになるか?」を
みんなで考えるようになっていきました。
私は当時マネージャーをしていましたが、
「誰が悪いか」を探すよりも、「どうすればできるか」を一緒に考えるようにしました。
たとえば、実行できていない人がいれば、
「何が難しかったのか?」「どんなサポートがあればできそうか?」と問いかける。
そうしたやりとりを重ねるうちに、職場の空気が少しずつ柔らかくなっていきました。
責めるよりも、支え合う。
その意識の変化が、チーム全体を前向きにしていったのです。
根っこは変えずに、考え方を進化させる
不思議なことに、この「支え合う文化」が広がっていく中で、
むしろ営業の成果も伸びていきました。
なぜなら、
「全員ができるようになるために考える」=「お客様にどうしたらもっと喜んでもらえるかを考える」
につながっていたからです。
つまり、根本の“お客様第一”という価値観は変えずに、
考え方やアプローチの部分を変えたのです。
「どうしたらうまくいくか」「どうしたらみんなで達成できるか」
という“問い”が、組織全体を少しずつ動かしていきました。
職場文化というのは、上からの指示で変えられるものではありません。
日々の会話の積み重ねや、問いかけ、
一人ひとりの行動が少しずつ変化を生み出していくのだと思います。
キャリアコンサルタントとして感じること
キャリアコンサルタントの立場から見ても、
「職場文化」は個人の成長と深く関係しています。
なぜなら、人は自分の置かれた環境の中で
「何が正しいのか」「どう動くべきか」を自然に学んでいくからです。
もし職場に“責める空気”があると、
人は失敗を隠すようになり、チャレンジしにくくなります。
逆に“支え合う空気”があると、
困ったときに相談でき、挑戦もしやすくなります。
つまり、文化が変わると、人の行動も変わるのです。
そしてそれは、一人の「問い」から始まります。
「どうしたらもっと良くなるだろう?」
「このチームはどんな姿を目指したいのか?」
この問いを共有することが、文化を育てる第一歩です。
最後に:文化の日に立ち止まってみよう
今日は文化の日。
伝統や芸術を感じる日でもありますが、
自分の職場の“文化”にも目を向けてみてはいかがでしょうか。
・今の職場にはどんな空気が流れているか?
・その空気はどんな会話や行動から生まれているのか?
・そして、どんな関係を築いていきたいのか?
この問いを立ててみるだけで、
明日からの働き方が少し変わるかもしれません。
文化は誰かが作ってくれるものではなく、
自分たちの関わりから生まれていくものです。
小さな問いかけ、小さな行動。
それが積み重なって、
「支え合う職場文化」をつくっていくのだと思います。
まとめ
組織文化・職場文化は、指示や制度では変わりません。
日々の会話、問い、行動の積み重ねが文化を育てます。
変わらない価値観を大切にしながら、
変えるべき部分を少しずつ変えていく。
それが成長する組織の共通点ではないでしょうか。
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