ブログ記事のポイント
・組織文化はスローガンではなく、日々の振る舞いから生まれる
・人の成長には段階があり、関わり方も変える必要がある
・「背中で伝える」は万能ではなく、効果が出るのは成長が進んでから
・新人には「言葉と一緒にやる」、中堅には「問いと余白」、ベテランには「背中で示す」
・関わり方の積み重ねが、組織文化とキャリアの土台をつくる
相手の状況や段階によって適した方法は違う!
みなさんこんにちは、キャリアコンサルタントのみってるです。
今週は「組織文化」「職場文化」についてお話をしてきました。
組織文化というと、会社のスローガンや理念を思い浮かべる方が多いと思います。
でも実際には、文化は言葉ではなく日々の振る舞いから自然とにじみ出るものです。
挨拶の仕方、困った人への声のかけ方、話を聞く姿勢、そういう積み重ねです。
今日はそこに、人が育つプロセスという視点を重ねてみます。
テーマは「背中で伝えるか」「言葉で伝えるか」です。
人は成長するとき、いくつかの段階を通ります。
キャリアの言葉では「発達段階」や「職務成熟度」と言いますが、難しい話はここでは必要ありません。
ざっくり3段階です。
- 新人・若手の段階(まだ経験が浅い)
- 中堅・伸び盛りの段階(ある程度できるようになった)
- 自立したベテランの段階(判断できる)
この3つの段階ごとに、必要な関わり方が変わってきます。
① 新人・若手の段階
この段階では、仕事の全体像や「なぜそれをやるのか」がまだ見えていません。
なので、背中を見せるだけでは届きません。
見えている行動と、その裏にある考え方がつながっていないからです。
だからここで大事なのは、
・言葉で説明する
・手順や考え方の型を見せる
・一緒にやりながら感覚をつかませる
つまり「外から内へ」理解を育てていくことです。
② 中堅・伸び盛りの段階
この段階に入ると、言われた通りに動くことはもうできます。
ここからは、自分で選んで動く力が育つフェーズです。
このときに効果的なのは、
・見せる
・相談に乗る
・振り返りで気づかせる
といった「考える余白」を渡す関わり方です。
特に問いかけは重要です。
「今、最も大事なことは何だと思う?」
この問いかけが、相手の中に判断軸を育てていきます。
③ 自立したベテランの段階
ここでようやく「背中で伝える」が深く響くようになります。
なぜなら、相手はすでに自分なりの地図を持っているからです。
姿勢、態度、言葉の選び方、優先順位のつけ方。
その人の価値観や美意識が行動そのものに出る段階です。
この「背中から滲むもの」は、静かで強いメッセージになります。
ここで “山本五十六” の言葉を紹介します。
「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、
褒めてやらねば人は動かじ。」
上段のことは聞かれたことがある方も居るのではないでしょうか?
これは、まさに今日の話です。
背中(やって見せる)だけでなく、
言葉で説明し、
一緒にやり、
任せ、
認める。
順番が大事なんです。
背中は最初に見せるものではなく、
最後に効いてくる教え方です。
まとめ
組織文化は「背中」だけでも「言葉」だけでも育ちません。
成長段階に合わせた関わり方の積み重ねこそが、文化を形づくっていきます。
「今、自分が関わっている相手はどの段階か?」
「その段階に合った関わり方ができているか?」
この2つを意識するだけで、育成もコミュニケーションも驚くほど変わります。
今日の話が、あなたの職場での関わりに少しでも役に立てば嬉しいです。
それでは、またお会いしましょう。
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