ブログ記事のポイント
今日のテーマは「若手の主体性を引き出す問いかけ」です。
答えを与えすぎると、若手は“自分で考える前に聞く”クセがつきやすく、主体性が育ちにくくなります。
大事なのは、問いを返しながら「考える習慣」をつくること。
そのための3つの問い「事実・考え・選択肢」がおすすめです。
そして、主体性は安心できる環境の中でしか育ちません。
若手の主体性ってどう育てる?
みなさんこんにちは。キャリアコンサルタントのみってるです。
今日は、メンター編の第2章の3回目として、若手の主体性を引き出す“問いかけ” についてお話しします。
昨日までは、「話しやすい空気づくり」や「本音を受け止める聞き方」について触れました。
今回は、その続きをふまえて、若手が自分で考えて動けるようになるための“問いかけのコツ”をお伝えします。
私自身、長い間若手と一緒に働く環境にいました。
入社7年目ぐらいからエリアの中心になるチームに入り、当たり前のように若手と関わる機会が増えました。
3年連続で新入社員が配属されたこともありますし、異動先でもいつも若手が周りにいる。
マネージャーになってからも経験者の新入社員や新卒の新人を受け入れることが続きました。
だからこそ、若手の質問を受ける場面は本当に多かったんです。
そして、聞かれるたびに答えてあげていました。
その時は「優しさ」だと思っていたんです。
でも、ある時ふと気づいたんです。
「あれ…?答えを言いすぎると、この子たちの思考が止まってないか?」
これが今日の話の出発点です。
主体性は“勝手に動くこと”ではない
まず大事なことをお伝えしたいのですが、
主体性とは、勝手に動く力ではありません。
主体性とは、
- 自分で考えて
- 自分で選んで
- 自分で行動する力
この3つがそろった“流れ”のことだと私は考えています。
だから、ただ答えを教えるだけでは、若手が「自分で考える」経験を積むことができません。
これはキャリア相談の現場でも同じで、答えを言われた瞬間に、人は自分の思考を止めてしまいます。
質問返しを導入した理由:考える力を育てたかったから
若手の質問は、もちろん大切です。
でも、それが“続く”状態になると、
「どうしたらいいですか?」
「これはどっちが正しいですか?」
というように、“聞けば解決する”という習慣がついてしまうことがあります。
そこで私は、質問が続く場面では質問返しを使うようにしました。
意地悪でやっているわけではありません。
むしろ逆で、
自分で考えるための視点を持ってほしかったから、あえて問いを返していました。
例えばこんな感じです。
- 「まず自分はどう考えた?」
- 「他にどんな選択肢が浮かぶ?」
- 「その中で一番良さそうなのはどれ?」
最初は戸惑う若手もいました。
「え…どう言えばいいんだろう?」という顔をして、少し黙り込むメンバーもいました。
でも、続けていくと変化が出てきます。
ほんの小さなことでも、“自分で考えて、自分で言葉にする” という姿勢が見え始めるんです。
キャリアコンサルタントとして見ても、
「自分で考える経験」は、その人の成長にとってとても大きな意味を持っています。
だからこそ、質問返しはとても有効な関わり方だと感じています。
主体性を育てる3つの問い
ここで、今日特にお伝えしたい問いかけを3つ紹介します。
どれも難しくないので、どんな職場でも使えると思います。
① 事実を聞く
「何が起きた?」
考える前の整理として、とても大切な入り口です。
ここを曖昧にすると、本人も状況をつかめないまま進んでしまいます。
② 考えを聞く
「どうしようと思った?」
若手の“価値観”や“判断基準”を引き出す問いです。
ここで初めて、その人らしさが見えてきます。
③ 選択肢を聞く
「どれが一番良さそう?」
主体性はここで生まれます。
「自分で選ぶ」という行為は、責任感と自信につながります。
この3つの流れは、ほとんどの場面で応用ができます。
トラブル対応にも、日常のちょっとした相談にも使える万能の問いです。
安心できる環境でしか主体性は育たない
問いかけはとても大事ですが、もう一つ欠かせないものがあります。
それは 安心感 です。
人は、
「ここで考えてもいいんだ」
「間違えても大丈夫なんだ」
と思えない環境では、自分の意見を言おうとしません。
キャリア相談の場でも、職場でもこれは同じです。
メンターや指導者の役割は、若手にとっての“安全基地”になることです。
その安心感があって初めて、「自分で考えてみよう」という気持ちが生まれます。
今日のポイントの振り返り
最後に、今日の内容を簡単に振り返ります。
- 主体性は問いかけで育つ
- 答えを教えすぎると若手の思考は止まりやすい
- 事実・考え・選択肢の3つの問いがカギ
- 質問返しは若手の“考える習慣”を育てる
- 主体性は安心できる環境の中でしか育たない
メンターは、若手の成長に大きく関わる存在です。
今日の話が、誰かの背中をそっと押すきっかけになれば嬉しいです。
まとめ
若手に主体性を持ってもらうためには、「考える経験」を積ませることが欠かせません。
そのためには、答えを与えるのではなく、問いかけによって視点を広げてもらうことが大切です。
最初は時間がかかるかもしれませんが、続けるほど若手の中に“自分で考える力”が育っていきます。
そして、何より大事なのは安心して話せる環境づくり。
この土台があることで、若手は大きく成長していきます。
メンターの関わり方ひとつで、未来の姿は大きく変わります。
今日の内容が少しでも参考になれば幸いです。
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