ブログ記事のポイント
部下の成長を促すには、ただ指示を出すだけではなく、「どんな問いかけをするか」が大切です。
この記事では、ある製品のプロモーターを部下に任せたときの実例をもとに、「問題点と課題の違いをどう認識してもらうか」「自分ごととして動いてもらうにはどうすればよいか」を、キャリア支援の視点からお伝えします。
声のかけ方や質問の仕方を少し意識するだけで、部下のやる気や視点が大きく変わります。評価面談や役割を任せるタイミングなど、日常業務の中でもすぐに活かせる考え方です。

日常業務で部下の成長を支援するには?
こんにちは。キャリアコンサルタントのみってるです。
今日は、「日常業務の中で成長を促す声かけ」について、実体験を交えてお話しします。
私はこれまで、いろいろな製品を扱ってきた中で、部下の育成も任されてきました。
その中の一つの方法として行っていたのが、「製品プロモーター」を任せるというものです。
たとえば、この半年間で売上を伸ばしたい製品を一つ決めて、その製品を担当するプロモーター役に、育成したい部下を指名するんですね。
役割を与えるだけでなく、「あなたにお願いしたい理由」や「どう成長してもらいたいか」といった期待も伝えます。
この段階で部下が「やってみます」と了承してくれたら、いよいよ初回の打ち合わせに入ります。
ここで、私は必ず次の質問を投げかけていました。
最初に投げかける質問が、視点を変える
それがこちらの問いです。
「この製品を売るうえで、このチームの問題点って何だと思う?」
「そして、その問題点を解決するための課題は何だと思う?」
この質問をすることで、ただ仕事をこなすだけではなく、チーム全体の現状や目標に対して“自分の考え”を持つようになります。
プロモーターという役割は、その人にとって「自分ごと」として取り組むチャンスでもあるんです。
問題点と課題、その違いを知る意味
少し補足しますと、「問題点」とは、今の現場で起きている困りごとやボトルネックのこと。
「課題」は、その問題点をどう乗り越えていくか、つまりこれからの行動目標のようなものです。
会議などでは、「これは問題点?課題?」と細かく定義すると、話が進みにくくなることもあります。
ですので、全体の場ではあまり口うるさくは言いませんでした。
ただ、プロモーターという役割を担ってもらう際には、スタート地点として意識のすり合わせ=目線合わせが必要だと思っていました。
だからこそ、問題点と課題の違いをしっかりと確認しながら話を進めるようにしていました。
小さな問いかけが、意識を大きく変える
この「問題点と課題」の話をすることで、部下の中で何が変わるかというと、
・自分なりに考えて仮説を立てるようになる
・ただ目の前の数字を見るのではなく、背景を考えるようになる
・「自分がチームにどう貢献できるか?」という視点が生まれる
つまり、「言われたことをやる」から「自分で考えて動く」への変化が起きるんです。
キャリア支援の視点から見ても、これは非常に大事なステップです。
与えられた役割を通じて、自分の価値を実感し、働きがいを持てるようになる。
このプロセスこそが、キャリア形成の大きな一歩です。

質問の力で、やらされ感を乗り越える
もちろん、プロモーターを任されたからといって、最初から前向きに取り組めるとは限りません。
でも、「あなたに期待している」「どうなってほしいと思っている」というメッセージを添え、
その上で問いかけを投げることで、やらされ感ではなく、納得感が生まれてきます。
部下が「自分で考えて決めた」と思えるようになること。
これが自律的なキャリアの始まりであり、モチベーションの源でもあります。
タイミングを選べば、問いかけはもっと効果的に
こうした問いかけは、特別な場面だけでなく、
・新しい役割を任せるとき
・評価面談のとき
・ちょっとした雑談の中
でも使えます。
タイミング次第で、部下の成長をぐっと後押しできるんです。

まとめ
皆さんは、部下との会話の中でどんな質問をしていますか?
「これは自分がやるべき仕事なのか」
「このチームに必要なことは何だろうか」
そんな問いを通して、部下の中に“気づき”が芽生えるかもしれません。
もし今まであまり問いかけを意識してこなかったという方がいれば、
次の面談や1on1、ちょっとした打ち合わせのタイミングで、
「問題点と課題は何だと思う?」と聞いてみてください。
その小さな一言が、未来の大きな成長につながるかもしれません。
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