OJTと「日常業務で成長する」の違いを理解する

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はじめに

社会環境の変化が加速する現代において、若手社員の育成はこれまで以上に重要な課題となっています。しかし、従来型のOJT(On the Job Training)だけでは、変化の激しい時代に必要な適応力や主体性を十分に育むことが難しくなってきました。

私は長年の営業現場での人材育成に携わる中で、従来のOJTの良さを活かしながらも、より効果的な成長を促す「日常業務で成長する」という新しいアプローチの可能性を感じていました。このブログでは、指導担当者の皆さんに向けて、若手社員の成長を加速させる新しい視点と具体的な方法をお伝えしていきます。

まずは第1回として、OJTと「日常業務で成長する」考え方の違いを整理し、なぜ今、新しいアプローチが必要なのかを考えていきましょう。

従来型OJTの特徴と価値

OJTは「On the Job Training(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)」の略称で、実際の業務を通じて必要な知識やスキルを習得する手法です。日本企業では長く主要な人材育成手法として取り入れられてきました。

OJTの基本的な考え方

  • 実務を通じた学習: 実際の仕事の中で経験を積むことで、実践的なスキルを身につける
  • 段階的な成長: 基本的な業務から徐々に難易度を上げていく
  • 先輩から後輩への伝承: 経験豊富な社員から若手社員へ知識・技能・企業文化を伝える

OJTの強み

  • 実際の仕事に即した実践的な学びが得られる
  • 現場のノウハウや暗黙知が自然と伝わる
  • 上司や先輩との関係性構築にも役立つ
  • コストをかけずに日常業務の中で実施できる

これらの特徴から、OJTは多くの企業で効果的な人材育成手法として定着してきました。特に「仕事をしながら学ぶ」という効率性は、日本企業の競争力の源泉ともなってきました。

「日常業務で成長する」考え方の本質

「日常業務で成長する」という考え方は、従来のOJTを基盤としながらも、若手社員の主体性と長期的な成長を重視した新しいアプローチです。

基本的な考え方

  • 受動的学習から能動的成長へ: 「教えられる」から「自ら学ぶ」姿勢への転換
  • 業務に意味づけをする: 単なる作業ではなく、目的意識を持って取り組む
  • キャリア視点での成長: 日々の業務を将来のキャリア形成と結びつける
  • 成長の見える化: 習得したスキルや成果を記録し、可視化する

この考え方の強み

  • 若手社員の主体性と自律性を育む
  • 変化への適応力が自然と身につく
  • 日常の小さな成功体験から自信を積み重ねる
  • 長期的なキャリア形成の視点が育まれる

この考え方は、「与えられた仕事をこなす」という姿勢から、「成長の機会として仕事に向き合う」という姿勢への転換を促します。

両者の共通点と重要な相違点

OJTと「日常業務で成長する」考え方には、いくつかの共通点がありながらも、重要な相違点があります。

共通点

  1. 実践重視: どちらも実際の業務を通じて学ぶ
  2. 上司・先輩の関与: 経験者からのサポートや指導を重視
  3. 段階的な成長: 基本から応用へと徐々にステップアップ
  4. 報連相の重視: 基本的なビジネススキルとしての報連相を大切にする
  5. フィードバックの活用: 改善のためのフィードバックを取り入れる

重要な相違点

  1. 主体性の重視度
    • OJT: 指導者主導の傾向が強く、受け手は受動的になりがち
    • 日常業務で成長: 若手自身の主体性と目的意識を強く重視
  2. 成長の捉え方
    • OJT: 業務遂行能力の向上が主目的
    • 日常業務で成長: キャリア形成の視点を持ち、長期的な成長を意識
  3. 成長の記録と可視化
    • OJT: 上司や組織が成長を評価することが多い
    • 日常業務で成長: 自分自身でスキルや成長を記録し「見える化」する
  4. 目的意識の位置づけ
    • OJT: 組織の目標達成のための指導が中心
    • 日常業務で成長: 個人の目的意識を持ち、業務の意義を自ら見出す
  5. 失敗の捉え方
    • OJT: 失敗を減らすための指導が中心
    • 日常業務で成長: 失敗を学びの機会として積極的に捉え、挑戦を推奨
  6. 会議の位置づけ
    • OJT: 会議参加は情報共有や業務理解の場
    • 日常業務で成長: 会議を主体的な成長の場として積極的な発言を促す
  7. 時間管理の視点
    • OJT: 効率的な業務遂行のための時間管理
    • 日常業務で成長: 自己成長のための時間創出や「隙間時間」の活用も重視

これらの違いは、根本的な発想の転換を示しています。従来のOJTが「組織が必要とするスキルを身につけさせる」という視点が強いのに対し、「日常業務で成長する」考え方は「個人が主体的に成長する場として業務を活用する」という視点を強調しています。

なぜ今、新しい育成アプローチが必要なのか

では、なぜ今、従来のOJTに加えて新しいアプローチが必要なのでしょうか。その背景には、以下のような要因があります。

1. 変化の加速する時代への対応

ビジネス環境の変化スピードが加速する中、「決められたスキルを習得する」だけでは不十分になっています。変化に対応し、自ら考え行動できる人材の育成が急務です。

2. 若手社員の特性や価値観の変化

現代の若手社員は、「なぜそれをするのか」という意味や目的を重視する傾向があります。また、キャリアの自律性や成長機会を重視する価値観も強まっています。

3. 長期的キャリア構築の必要性

終身雇用が揺らぐ中、個人が自分のキャリアを主体的に構築していく必要性が高まっています。日常業務を通じた「ポータブルスキル」の習得がより重要になっています。

4. 指導側の負担と成長

従来型OJTでは指導者の負担が大きく、属人的になりがちでした。新しいアプローチでは、指導者自身も学び成長できる関係性を構築できます。

指導現場での実践に向けて

では、「日常業務で成長する」考え方を実際の指導現場でどう取り入れていけばよいのでしょうか。

段階的な導入の重要性

新入社員に対して、いきなりすべての要素を求めるのは現実的ではありません。まずは基本的な業務スキルの習得から始め、徐々に主体性や目的意識を育んでいくアプローチが効果的です。

例えば以下のステップが考えられます。

  • 最初の1ヶ月:基本的な業務の理解と報連相の習慣化
  • 2-3ヶ月目:業務の目的や背景を考える習慣づけ
  • 3-6ヶ月目:小さな改善提案を奨励し、主体性を育む
  • 6ヶ月以降:成長の見える化と自己評価の習慣化を促す

指導者自身の意識改革

「教える」から「気づかせる」指導へのシフトには、指導者自身の意識改革も必要です。

  • 答えを与えるのではなく、考えるヒントを提供する
  • 新入社員の小さな成長や気づきを見逃さず評価する
  • 「なぜ」を大切にした対話を心がける
  • 自分自身も共に学び成長するという姿勢を持つ

チーム全体での取り組み

一人のメンターだけでなく、チーム全体で若手の成長を支える環境づくりも重要です。

  • メンター同士の情報共有と学び合いの場を設ける
  • チーム会議で若手の成長や成功事例を共有する
  • 多様な先輩社員との関わりを意図的に創出する

まとめ

従来のOJTと「日常業務で成長する」考え方は対立するものではなく、互いに補完し合う関係にあります。OJTの実践的な学びの基盤の上に、若手社員の主体性と長期的な成長視点を加えることで、より効果的な人材育成が可能になります。

指導担当者の皆さんには、これらの違いを理解した上で、若手社員の特性や成長段階に合わせた柔軟なアプローチを取り入れていただきたいと思います。それは若手社員の成長を加速させるだけでなく、指導者自身の成長にも繋がるはずです。

次回は「若手社員の主体性を引き出す指導の基本」と題して、具体的な声かけや関わり方について掘り下げていきます。ぜひご期待ください。

あなたへの問いかけ

  • あなたの職場のOJTには、従来型と「日常業務で成長する」考え方のどちらの要素が強いですか?
  • 若手社員の主体性を引き出すために、今日から取り入れられそうな工夫はありますか?

ぜひコメント欄でご意見やご経験をシェアしていただければ幸いです。

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