ブログ記事のポイント
職場の文化や雰囲気は、立派な理念やスローガンが作るものではありません。
毎日の挨拶、相談を受けたときの姿勢、相手をどう扱うかといった 小さな態度の積み重ね から生まれます。
今日は、私が若い頃に経験した出来事と、そこから気づいた「文化は態度からにじみ出る」というお話をお伝えしたいと思います。
組織文化は「掲げるもの」ではなく「にじみ出るもの」
「組織文化」と聞くと、会社の理念や方針、経営者の掲げるスローガンのような大きな話をイメージする方が多いと思います。
けれど、実際に職場の空気をつくっているのは、そうした言葉ではなく、そこで働いている一人ひとりの 日常の態度 です。
例えば、挨拶の声のトーン。
話を聞くときに相手の方を向くかどうか。
困っている人に声をかけるかどうか。
こうした 一つひとつの小さな行動 が、積み重なって職場の雰囲気や文化をつくっていきます。
若い頃に感じた「挨拶は言葉だけではない」という気づき
私が社会人なりたての頃、朝の挨拶の中で、忘れられない経験があります。
ある日、いつものように支店長へ「おはようございます」と挨拶をしました。
しかし支店長はパソコンの画面から目を離さず、こちらを見ることもなく、「おはよう」とだけ返してきました。
言葉は返ってきました。
でも、そこには「あなたを見ている」「あなたを歓迎している」という 感じ はありませんでした。
その瞬間、私は気づきました。
挨拶は、言葉だけでは伝わらない。
そこから、私は挨拶をするときは 必ず相手を見て、表情ごと届ける ことを心がけるようになりました。
「相談しても大丈夫」と思ってもらえる態度
私は、部下が相談に来たときには、必ずやっていたことがあります。
手を止める。
相手の方に体を向ける。
目を見て話を聞く。
これは単に「聞いている」ではありません。
「あなたの話を大切にしています」
というメッセージを、態度で伝えるということです。
人は、言葉以上に 「自分がどう扱われたか」 を感じます。
そこで安心感が生まれると、相談は続きます。
相談が続くと、信頼が育ちます。
信頼が育つと、職場は落ち着いた雰囲気になります。
つまり、
態度 → 安心 → 信頼 → 職場文化
この流れが、文化を形づくっていくのです。
キャリアコンサルタントとして見ても「扱い方」は人を変える
キャリア相談の現場でも同じです。
人は、相手の言葉より 「自分がどう扱われたか」 によって、
「自分は価値がある存在か」「ここにいていいのか」を感じ取ります。
だからこそ、関わり方には「非言語のメッセージ」がとても大きな意味を持ちます。
- 視線を向ける
- 姿勢を相手に向ける
- 話を遮らない
- 否定から入らない
これらは、誰にでもできることです。
けれど、 できているかどうかで、人が育つかどうかは大きく変わります。
今日からできる「文化をつくる態度」
難しいことをしなくていいんです。
- 挨拶で相手をちゃんと見る
- 相談されたら手を止める
- まず受け止める
- 焦らせない「沈黙」の時間をつくる
小さなことを、当たり前に続ける。
それが、文化をつくる一番の近道です。
ブログとしてのまとめ
文化は、誰かが決めて押しつけるものではありません。
そして、急に変わるものでもありません。
でも、
「扱い方」や「態度」の積み重ねは、確実にその場の空気を育てます。
あなたが今日、誰かにどんな態度で関わるか。
その一つの行動が、職場の文化の種になります。
文化は、言葉ではなく、態度ににじみ出ます。
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