ブログのポイント
仕事をしていると、どんなに注意していてもトラブルや苦情に出会うことがあります。
そんなときに大切なのは「スピード」よりも「冷静さ」。
焦って動く前に、まずは落ち着いて状況を整理する時間を持つことが、結果的に最短の解決につながります。
今回のブログでは、私がマネージャー時代に実践していた
「報告者の話を聞くときのポイント」についてお話しします。
冷静さを取り戻すための考え方、チームの信頼を育てる対応のコツをお伝えします。
トラブルは避けられない。でも、対応の仕方は選べる
仕事をしていれば、どんな人でも一度はトラブルやクレーム対応に直面するものです。
ミス、誤解、伝達不足…。原因はさまざまですが、共通して言えるのは「誰にでも起こる」ということ。
そんなとき、慌てて動くと判断を誤ることがあります。
私がマネージャーとして部下やチームの報告を受けていたとき、まず意識していたのは、報告者が冷静になれる時間を作ることでした。
まずは「しっかり聞く」ことから始める
トラブル報告を受けたとき、私は何よりもまず「相手の話をしっかり聞く」ことを大切にしていました。
これは、ただ黙って聞くという意味ではなく、先入観を持たずに事実を受け取る姿勢です。
たとえ相手や状況をよく知っていたとしても、「きっとこうだろう」と決めつけない。
人は焦ると、自分に都合の良い情報だけを拾ってしまいがちです。
だからこそ、まずは事実を丁寧に確認することを心がけていました。
話を聞いていて情報が足りないと感じたら、質問をします。
このやりとりの中で、報告者自身が冷静さを取り戻していくことが多いのです。
「質問に答えるために考える」その時間が、感情を整理するきっかけになります。
一緒に「着地点」を探す
もう一つ意識していたのは、「このトラブルの着地点はどこか」を一緒に考えることです。
報告者が何を望んでいるのか、相手が何を求めているのか。
その“ゴール”を共有することで、行動の方向が揃っていきます。
ゴールがあいまいなままだと、対応がバラバラになり、解決までに時間がかかります。
逆に、「どこを目指すか」を明確にするだけで、チーム全体が同じ方向に進めるようになります。
「相手の納得を得ることがゴールなのか」
「再発防止まで踏み込むことが目的なのか」
着地点を共有するだけで、判断の軸がブレなくなります。
感情と事実を分けて整理する
トラブル対応では、感情と事実を分けて整理することも重要です。
報告の中には「怒っていた」「落ち込んでいた」など感情的な言葉も多く出てきます。
でも、感情に引っ張られてしまうと、本当の問題点が見えなくなってしまいます。
「何が起きたのか」と「どう感じたのか」を分けて話す。
それだけで、状況がぐっと見えやすくなります。
冷静に整理していくうちに、「実は大きなトラブルではなかった」と気づくこともあります。
キャリアコンサルタントとして見ても、この“感情と事実の切り分け”はとても大切なスキルです。
人は感情を否定されると防御的になりますが、「事実を整理しながら気持ちを受け止める」ことで前向きな行動に変わっていきます。
影響範囲を見立てることで、優先順位をつける
次に大切なのが、トラブルの影響範囲を見立てることです。
どこまで影響が広がっているのか。
誰が関係しているのか。
これを早い段階でつかんでおくことで、対応の優先順位が見えてきます。
たとえば、社内だけで完結できるものなのか、
お客様や他部署に広がる可能性があるのか。
影響範囲がわかれば、どのレベルで報告・共有すべきかも判断できます。
トラブルの大小ではなく、「影響の広がり」を見て動く。
この視点を持つことで、リーダーとして冷静な判断ができるようになります。
報告してくれた人に「ありがとう」を伝える
そしてもう一つ、私が大切にしていたのが「報告してくれた人への感謝」です。
トラブル報告は、誰だって気が重いものです。
それでも勇気を出して報告してくれた。
それは、チームの信頼を守る行動でもあります。
だからこそ、「報告してくれてありがとう」という言葉を必ず伝えていました。
この一言があるかないかで、次に同じようなことが起きたときの対応スピードが全く違ってきます。
信頼関係は、小さな「ありがとう」の積み重ねで育っていくのだと実感しています。
解決後こそ、チームで振り返る
トラブルが解決した後も、私は必ずチームで「なぜ起きたのか」「次にどう生かすか」を振り返っていました。
この振り返りをすることで、ただの失敗が「学びの機会」に変わります。
「誰が悪いか」を探すのではなく、
「次にどうすれば防げるか」を一緒に考える。
そうすることで、メンバー同士の信頼も深まっていきます。
失敗を共有できるチームは、成長するチームです。
その場で終わらせず、経験を次につなげる力を育てていくことが、マネージャーの大切な役割だと思います。
まとめ:スピードよりも冷静さが最短の道になる
トラブル対応で一番大事なのは、解決のスピードではなく、冷静さを取り戻す時間です。
焦って動くよりも、
- しっかり話を聞く
- 事実を整理する
- 着地点を共有する
この3つを意識することで、結果的に最短で最良の解決につながります。
トラブルは、対応次第でチームの成長のきっかけにもなります。
落ち着いて向き合い、そこから何を学ぶかを考えることで、仕事も人も大きく変わっていきます。
今日の内容が、あなたの仕事の中での気づきやヒントになれば嬉しいです。
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