今日のポイント
議事録作成は、ただの事務作業と思われがちですが、実は日常業務の中で多くのスキルと知識を身につけられる絶好のトレーニングです。
聞く力、判断力、要約力、表現力、時間管理といったスキル、さらに背景理解、専門知識、ルール把握、読み手のニーズ理解などの知識が自然と鍛えられます。
日常の仕事を「成長の場」に変えるためのヒントとして、今回は議事録作成の魅力をお伝えします。
議事録作成は地味な作業？
みなさんは「議事録作成」と聞くと、どんなイメージを持ちますか？
多くの人は「地味な事務作業」「誰でもできる作業」という印象を持つかもしれません。
正直、私も新人の頃はそう感じていました。
ですが、キャリアコンサルタントとして多くの方の働き方を見てきた今では、議事録作成は非常に価値のある“成長の種”だと断言できます。
やり方や意識次第で、自分を伸ばす最高の練習台になります。
議事録作成で鍛えられる5つのスキル
1. 聞く力
会議の中で重要なポイントを聞き分け、メモを取る力が鍛えられます。
ただ耳で聞くだけでなく、「何が重要なのか」を考えながら聞くことが求められます。
これは商談、面談、ヒアリングなど、あらゆる場面で役立つ力です。
2. 判断力
会議では情報が次々に出てきます。
その中から必要な情報とそうでない情報を瞬時に見極める判断力が求められます。
この取捨選択の力は、日常の業務判断にも直結します。
3. 要約力
長い議論や複雑な意見を整理し、読み手が理解しやすい形にまとめる力です。
単に短くするのではなく、「流れが分かるように」「論点が整理されているように」構成を整えることが大切です。
このスキルはプレゼン資料や報告書作成でも必ず役立ちます。
4. 表現力
誤解を招かない言葉の選び方や、簡潔で明確な文章にする力が磨かれます。
特に社外の人や上層部に見せる議事録では、この表現力が信頼にもつながります。
5. 時間管理
議事録は、会議が終わってからできるだけ早く提出することが求められます。
そのためのスピード感や、期限を守る計画性も自然と鍛えられます。
議事録作成で身につく4つの知識
1. 背景理解
会議の目的や背景を理解することで、「どこを重点的に書くべきか」が分かります。
この背景理解は、仕事全体の視点を高めるきっかけにもなります。
2. 専門知識
会議では業界用語や製品名、規制などの専門的な情報が出てきます。
議事録を作るためにはそれらを正確に理解する必要があり、自然と知識が増えていきます。
3. 進行ルールの把握
会社ごとに議事録の書き方や発言者の記載ルールがあります。
このルールを理解することで、安定した品質の議事録が作れるようになります。
4. 読み手のニーズ理解
議事録を読むのが上層部なのか、現場の担当者なのか、外部関係者なのかによって、必要な情報の詳細度や書き方を変える必要があります。
この「相手目線」を持つことは、すべてのコミュニケーションにおいて重要です。
議事録作成は自己成長の近道
こうして見てみると、議事録作成には「聞く力・判断力・要約力・表現力・時間管理」というスキルと、「背景理解・専門知識・ルール・ニーズ把握」という知識が必要です。
そして、これらはどれも他の業務にも応用できる力です。
つまり、議事録作成を単なる作業としてこなすか、「成長のトレーニング」として活用するかで、あなたの成長スピードは大きく変わります。
キャリアコンサルタントとしての視点
私がこれまで見てきた中で、成長が早い人ほど、こうした日常業務を軽く扱いません。
「どうせやるなら自分の力になるように」と考えながら取り組んでいます。
議事録作成はまさに、その格好の例です。
たとえ毎週同じような会議でも、「今日はこの力を意識して伸ばそう」とテーマを決めるだけで、仕事が自己成長の場に変わります。
今日のまとめ
- 議事録作成は、成長の種が詰まった業務
- 5つのスキル（聞く力・判断力・要約力・表現力・時間管理）と4つの知識（背景理解・専門知識・ルール・ニーズ理解）が自然と鍛えられる
- 単なる作業としてではなく、成長のトレーニングとして取り組むことで、日常業務が自己成長の宝庫に変わる
次に議事録を作るときは、「今日はどんな力を伸ばせるか」を意識してみてください。
きっと今までとは違った景色が見えるはずです。
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