国家資格であるキャリアコンサルタント試験は、学科試験と実技試験が実施されています。実技試験は実技論述試験と実技面接試験です。
※ 私はJCDAの団体である日本マンパワーで受験資格を取得しました。
キャリアコンサルタント資格
キャリアコンサルタントは国家資格です。『キャリコン資格』と表現されることも多いようです。
名称独占資格で、守秘義務・信用失墜行為の禁止が課されています。
資格を取得して終わりではなく、継続して研修を受講して知識やスキルアップをすることがもとめられています。
一定期間内に取得単位が決められており、受講後継続の手続きが必要です。
キャリアコンサルタント試験の採点基準と合格ライン
論述試験は50点満点、面接試験は100点満点、合計150点満点で90点以上が合格ラインとなります。
わたし自身に届いている結果通知書をみると「論述」および「面接」評価区分中(1)
A:評価盲目の満点の60%以上の得点
B:評価項目の満点の40%以上60%未満の得点
所要点未満:評価項目の満点の40%未満の得点
※「論述」及び「面接」の評価区分の中の「主訴・問題の把握」、「具体的展開」、「傾聴」のいずれか一つでも40%未満の得点(所要点未満)がある場合は、「論述」及び「面接」合わせて90点以上(60%)以上の得点でも不合格になると記載されています。
ちなみに「面接」評価区分中(2)もA評価、B評価が付きます。評価区分は「振り返り」と「将来展望」です。
評価は「A」あるいは「B」で伝えられています。論述試験は採点基準が明確に、目線合わせがされているので、得点を稼ぐことは可能だと思います。
わたしの結果通知書では、評価項目はすべて『A』と表記されています。実技論述試験と実技面接試験の6つの評価項目で合格ラインを超えていると評価されました。
一発合格した経験を記載します。
キャリアコンサルタント資格試験は学科試験と実技(論述・実技)試験
資格試験は学科と実技ですが、実技は論述試験と実技試験が実施されています。実技試験は論述試験と実技試験の合計点数で合否が決定します。
論述試験ではかなりの高得点を獲得する人が出てきているとの情報を聞く一方で、合格率はそれほど高くありません。合格は、150点満点(論述50点満点、面接100点満点)で90点以上です。
合格率は、ほとんどの回で70%を下回っています。
論述では40点から45点、それ以上の点数を獲得する人もいるようです。90点以上獲得できれば合格ですので、必要な点数は45点から50点のB評価でも合格することは、理論上は可能になります。
言葉を選ばずに書くとすれば、論述の高得点は合格を約束してくれるかは不明だと思います。
理由は、JCDAの試験であれば、面接の評価項目(1)を重要視しているとおもわれます。それは通知書をみるとわかります。
その部分で60%以下の評価である「B」があれば、不合格になることが明記されています。
「主訴・問題の把握」「具体的展開」「傾聴」という面接時に必要な知識とスキルはしっかりと身に付けておくことです。
キャリアコンサルタント試験 実技試験で高得点で合格する
合格のための戦略として、論述試験で高得点の40点以上獲得して、面接のスキル不足を補う方法もあります。「振り返り」「将来展望」がB評価でも合格者はいると聞いています。
合格のための、戦略としてはありだと思います。
高得点で合格することを目指すのであれば、実技論述試験で40点(8割)以上で、実技面接試験もそれに近い点数を獲得することを目指すことになります。実技面接は60点獲得できればA評価で、合計100点で合格です。70点であれば、110点で合格です。
点数配分を考えると「振り返り」「将来展望」が低い評価でもクライエントには迷惑をかけません。
評価区分中(1)がしっかり実行できれば、面談をしっかりと実行できてクライエントのサポートはできるとの判断だと考えられます。
とはいえ、評価区分中(2)を軽くは見ない方が良いと思いますので、準備をして試験にのぞみましょう。
実技面接試験は、面談の進め方を理解しているかを確認されています。
キャリアコンサルタント実技論述試験とは
試験は、クライエントとの面談をどのように進めるのか?どのような面談が良いのかが理解できているかが確認されます。
時間内に終われる(考えをまとめて、文章に書く)ようであれば、学科試験と実技面接試験のトレーニングに時間をかけても良いと思いますが…
油断は禁物です。試験前には、最終チェックを怠りなく実施して、試験にチャレンジしてください。
キャリアコンサルタント実技試験 論述試験対策
論述試験対策は、早い段階で実施することだと思います。理由が二つあります。
・ 論述は一度理解できれば(合格レベルを超えれば)、力は極端に落ちない。
・ 論述試験の理解の向上が、面接のスキルアップにつながる。
論述レベルの試験合格レベルを一度超えておけば、一度付けた力は極端に落ちない。また、もとに戻すにもそれほど労力をかけなくても戻せると考えるからです。
具体的にいうと、論述で問われている内容は実技の面接で実施すべきことを理解できているか確認されています。
どのような面接が理想形なのかを理解できている。文章にして説明できる力は、一度作り上げておけば極端には落ちません。
面接スキルは、理論を理解していることで論述で実施すべき面接をイメージできます。やるべきことが分かって練習することで維持向上ができます。
力を戻すにも時間はかかりません。逆に面接の練習でレベルが上がる可能性すらあると思います。
学科試験を数日続けて勉強して、飽きてきた時に論述試験の過去問を解くのも良いと思います。
キャリアコンサルタント試験 論述試験わたしの解き方
わたしは論述試験は問題の解く順番を変えていました。問2→問3→問4→問1の順番で回答しました。
問2は、キャリコンの応答が相応しいか、相応しくないかを回答して理由を説明します。
問3は、キャリコンとして、事例のⅠとⅡ共通部分と事例Ⅱの問題点をピックアップします。
問4は、事例Ⅱから、今後の面談の展開を具体的に記述する問題です。
問1は、面談の事例から展開について記載します。指定語句が5つありますが、全てを何回つかっても良いルールで使用して、自分の考えを記載します。
わたしは、論述試験のポイントは2つだと考えていました。
・ 問題を解く順番
・ 指定語句の意味の理解
問題を解く順番は上記に記載した通りです。指定語句の意味は理解できていないと正しい使い方ができません。そのため、自信がないことばは確認しておくことをお勧めします。
わたしは『好意的関心』の理解が正しいかなどを調べた記憶があります。過去問を見て、調べておくだけでも違うと思います。
文章を書くスピード(&考えをまとめるスピード)
多くの方は、あまり意識されたことはないと思いますが、わたしは論述試験で考えたことがあります
文章を書くスピードです。文章表現力も重要ですが、文章を書くスピードも重要です。
わたしは、人並みのスピードだと考えていますが、文章を書く問題を解くときに遅いことを自覚したことがありました。考えをまとめるのに時間がかかっているのかもしれません。
そうであるならば、そのトレーニングは実施しておいた方が良いと考えます。
自分の課題を見極めて、準備を進めることが重要だとおもいます。
過去問を解いてみて、問題なく時間内に終われるようであれば問題ないと思います。
一度、完成させてから、ほかの対策に集中するか?学科試験で疲れたときの勉強メニューにするか?合格のための準備を進めることをお勧めします。
キャリアコンサルタント実技面接試験
キャリアコンサルタントの実技面接試験は、学科試験と論述試験とは別の日に実施されます。1人30分の面接試験です。私が受験した時は、4日間に分けて面接試験が実施されました。
学科試験の1週間後に実技試験が実施された人と4週間後に実施された人がいます。
私の経験から面接試験の注意点と対策を書きます。
実技面接試験は面談の進め方を実践できるかを確認されている
実技の面接試験では、理論や進め方を理解しているか?その面談を実施できるのか?
この2つを抑えることが重要です。
分かりやすく表現すると、実技論述試験で書いたことを実践できるかを確認されています。
理論については、会話のなかでのキャリアコンサルタントの対応で実践していることが確認できます。
進め方も面談状況を見ていることで、実践できることを確認されます。
キャリアコンサルタント実技面接試験の進め方
実技試験は、守秘義務などの説明は終わった前提ですすめるように指示がされます。
会話の流れとしては、どのようなことを相談したくて来られたのかを確認することから始まります。
私:「クライエントさん、今日はどのようなことで来られましたか?」
CL:「最近、今の会社が合っていないのではないかと考えはじめて相談に来ました。」
私:「最近、今の会社が合っていないのではないかと考えはじめて、相談に来られたのですね?」
CL:「そうなんです!」
私:「もう少し、詳しく教えていただけますか?」
主訴を確認してから、「もう少し、詳しく教えていただけますか?」と言う投げかけで現状を聞いていきます。
実技試験の進め方(私が意識していたこと)
前段のロープレ事例は導入部分です。
最初の「クライエントさん、今日はどのようなことで来られましたか?」と質問します。
それに対しての答えは、キャリアコンサルタントに相談したい事があり来ています。この段階でクライエントさんが解決したい悩みを教えてくれます。
教えてくれた解決したい悩みを繰り返すことで確認していました。
その後は、前段でも紹介したように主訴を確認後話しを促します。クライエントの話したいことを話してもらい面談がすすんでいきます。
主訴と問題点を理解する
ポイントだと考える部分です。
「主訴は何でしたか?」「主訴は?」の質問は、主訴の意味で迷うことがあるかもしれません。
わたしは実技のロープレをするときに、下記の流れを意識して実施していました。
先ほどと同じ内容ですが繰り返し表示します。
私:「クライエントさん、今日はどのようなことで来られましたか?」
CL:「最近、今の会社が合っていないのではないかと考えはじめて相談に来ました。」
私:「最近、今の会社が合っていないのではないかと考えはじめて、相談に来られたのですね?」
CL:「そうなんです!」
私:「もう少し、詳しく教えていただけますか?」
主訴は、「いまの会社が合っていないのではないかと考えはじめて相談したい」だと考えます。
「もう少し、詳しく教えていただけますか」との投げかけの返事によっては、多少変わる可能性はありますが、主訴は流れから、その会話の近くにあると思われます。
問題点は、面談を進める中で分かってくるクライエントの解決したい事です。
クライエントの抱える主訴と問題点を間違えないように注意が必要だと思います。
実技試験の口頭試問でも後で紹介しますが、『主訴は何でしたか?』との質問をされます。
相談者(クライエント)特有の ”言い回し”
国家資格のキャリアコンサルタントの実技試験のポイントとして、相談者(クライエント)特有の言い回しという部分があります。その意味を理解するのに時間がかかりました。
わたしは、キャリアコンサルタントの指導資格を取得している方とのトレーニングで理解できました。
キャリコン資格試験の主格を取得しましたが、講座で学ぶ内容はキャリアコンサルタントとは?の理論などでした。
カリキュラムが決まっており、面接の時間は設定してくれていますが、わたしには理解できるほどの時間ではなかったと感じています。
ここでは、わたしになりに理解した内容をまとめて記載します。参考になればと考えています。
クライエント特有の言い回しは2つあります。
● 『単語・言葉』自体が特有の言い回しでイメージや想像ができることば
● 『単語・言葉』は普通で『特有の言い回し』だとわかりにくいことば
キャリアコンサルタント試験での実技面接試験では、この言葉をしっかりと聴いて、面談をすすめます。重要なポイントです。
クライエント特有の言い回しについて、説明します。
キャリアコンサルタント実技試験口頭試問対策「振り返り」「将来展望」
口頭試問で聞かれることは、ある程度決まっています。少し違う事例もあるようですが、必ず聞かれることがあります。
1、できたこと、できなかったことは?
2、主訴は何でしたか?
3、クライエントの問題点は何だとおもいますか?
4、この後の展開はどのように考えていますか?
5、資格を取得したら、どのように生かしますか?
事前に出来ることは準備する
わたしは、最後に必ず質問される「今後、資格をどのように活かしていきたいと考えていますか?」
の解答は、しっかりと準備をしました。資格取得後にどのように活かしていきたいのかを具体的に考えていました。
どのくらいの影響力があるかわからない部分もありますが、合格通知書に「振り返り」「将来展望」の項目が記載されています。
「振り返り」は、ロープレ後の口頭試問です。ここでも面接がうまく実行できなかった時には挽回できます。試験官から、「できたこと、できなかったことは?」と質問されます。
意図を持って面接するつもりだったが、相手の反応をうまく理解できなかった。目指す面接を理論として理解して、実行を試みたかができなかったことを伝えられるかという見方もできます。
「将来展望」はこの口頭試問の最後の資格の活かし方で評価されていると思います。
実技試験対策として実行したこと
指導資格所有キャリコンのロープレトレーニング
100分間の3回セットと100分間の1回枠を予約して、ロープレトレーニングにのぞみました。
実施方法は、指導者キャリコンを相手にロープレを実施します。
ある程度進んだところで、振り返りをすると聞いていました。ほかの方法もあるようです。
わたしは、”うまくやりたい” ”失敗したくない”との気持ちが強かったのでかもしれません。
ロープレを進めて、途中で「これ以上は進められません。」と言う宣言をすると、ロープレの振り返りをする方法で進みました。
指導者:「クライエントがいつも通りですと答えましたが?どう思いました?」
わたし:「…いつも通りなんだぁと思いました。」
指導者:「いつも通りなんだぁと思ったのですね。いつも通りとは?」
わたし:「…わからないですね。」
指導者:「わからなかったのですね。なぜ、そのまま進んだのですか?」
ロープレ後の指導者との会話です。
上記の会話の後で、話をした内容に関して、質問や納得できたかを確認されていました。
質問には丁寧に答えてくれるのですが、熱く話をする人でした。どちらかというと自分も、その傾向があるので普通に聞いていました。
100分間の会話は録音しておいて、聞きなおしができることになっていました。
自宅で聞きなおしている時に息子から「お父さん、これ、会社で怒られているの?」と聞かれたことがあります。
単に録音だけを聞くと、怒られているように聞こえたようです。
同タイプ?であることと、体育会出身なので、わたしは熱心に指導してもらっていると考えていました。ただ、自信を無くすことはありました。これはできていない自分に気がついてです。
このトレーニングを受けて良かったことは、本番や現場での面談は違うという事を感じられたことです。
そして、「いつも通りです」という事例を挙げましたが、”クライエント特有の言い回し” が分かるようになりました。キャリアコンサルタントの面談の基本を教えてもらったと考えています。
クライエント特有の言い回しについては、こちらに詳しく記載しています。
キャリコンホルダーさんのロープレトレーニング
わたしは、ロープレトレーニングはもうひとつ参加していました。
それは、キャリコン資格ホルダー=ホルダーさんがボランティアで開いてくれていた練習会です。
受験者2~3人のグループに1人ホルダーさんが入ってくれていました。
トレーニングはキャリコン役、クライエント役を1回ずつ実施します。それを2セット、別パートナーで実施していました。最後に情報共有の時間も作られていました。
こちらのトレーニングは、面接が終わった後にホルダーさんが質問をします。
「できたこと。できなかったことを話してください。」
「クライエントの主訴は何でしたか?」
自分が本番で質問されたことも含めて質問を投げかけてくれます。
クライエント役にもいくつかの質問をされますが、指導ではなくアドバイスをしてくれていました。
この練習会を企画してくれている方が、温厚な性格のホルダーさんに声をかけてくれていたようです。
厳しいことばで指導されることはなかったです。
一緒に試験にチャレンジする仲間同士でもあり、クライエント役も真剣に相手をします。
わたしとしては、かなりいい練習になっており、自信をつけられる機会でした。
ロールプレイ以外の面接トレーニングはあるのか? 音読
実技対策でロールプレイ(ロープレ)トレーニング以外に何かできることはあるのか?
あります!
わたしは本の音読をしていました。
カウンセリングの会話が書いてある本で、音読をしていました。
その本は、カウンセリン理論と共にクライエントとの会話が編集されています。
良い事例、わるい事例全てを音読すると時間がかかります。
わたしは違いを理解するために、最初は両方の文章を読んでいました。
何回も繰り返し読んだことと、論述対策やロープレ練習を重ねっていった結果として、違いが理解できた段階で良い事例のみ読むようにしました。
この本の内容はキャリアコンサルタントの面談ではないので、そこは割り切りは必要です。
ただ、良い点は、相手の話したいことを聞く。語ってもらうために、どのような反応を返すのかは参考になると思もいます。
音読することのメリットは
● 自分の口にだし、クライエントに語りを促す
● クライエントのことばも口に出すことで会話の流れをおぼえられる
● 音読により、全体の流れを何回も聴くことで基本となる形をおぼえられる
音読は相手がいなくても実施できます。練習としても良い方法だとわたし自身は考えて、試験前は毎日実施していました。
イメージトレーニング
もうひとつ、わたしは実技試験対策で実施していることがあります。イメージトレーニングです。
このイメージトレーニングは、布団に入ってから実施していました。
ロープレトレーニングを何回も実施していました。自分が気をつける部分はかなり絞り込まれています。
「わたしは落ち着いて、クライエントをみています。」
「同じ毎日です。というクライエント独得の言い回しに気がつきます。」
「わたしの問いかけに対してのクライエントの行動に気がつきます。」
注意点を意識して、自分なりに抑えるポイントをしっかりと実行できているイメージを持つようにしていました。
キャリアコンサルタント試験のまとめ
- 試験内容と合格ライン
キャリアコンサルタント試験は学科試験と実技試験(論述試験と面接試験)です。
合計で150点満点中90点以上を取得する必要があります。
評価はA評価(60%以上の得点)とB評価(40%以上60%未満の得点)で評価されます。 - 実技試験の重要ポイント
実技試験では「主訴・問題の把握」「具体的展開」「傾聴」の評価が重要で、これらの項目で40%未満を取得すると不合格となることが明記されています。 - 対策と準備: 論述試験では高得点を目指すためには、面接スキルと論述の理解が直結しており、適切なトレーニングと準備が合格への鍵となります。
特にロープレトレーニングや音読練習が有効です。(音読は私の経験で、私は有効だと感じています。) - 試験対策
問題解答の順番を工夫したり、論述試験の過去問を解くことで、実技面接の準備にもつながります。また、音読やイメージトレーニングも効果を実感しました。
音読やイメージトレーニングは、わたし自身が合格に繋がるのではないかと考え実行しました。
わたし自身は合格に繋がったと実感があるので紹介しています。
トライして、自分に合っていると感じる方もいると思います。効率的な勉強方法は個人により違いがあると思います。参考になれば。