「このままで良いのだろうか」「次のステップに進むタイミングはいつなのか」
中堅社員の皆さんの中には、こうした漠然とした不安を抱える方も多いのではないでしょうか。
一定の経験を積み、日常業務はスムーズにこなせるようになった一方で、キャリアの将来像が見えにくく感じる―。
それは、多くの中堅社員が経験する共通のジレンマです。
なぜ将来像が見えにくくなるのか
中堅社員の時期は、キャリアの重要な転換点となります。
その理由として
役割の変化
- プレイヤーとしての役割とリーダー的役割の両立
- 後輩育成への関与の増加
- チーム全体の成果への責任
求められる判断の広がり
- 部門を超えた視点での判断
- 中長期的な視点での意思決定
- 組織全体への影響を考慮した行動
キャリアパスの分岐点
- 専門性を深めるか、マネジメント方向に進むか
- 現在の延長線上か、新たな挑戦か
- 社内でのキャリア形成か、社外も視野に入れるか
経験を活かしながら次のステージを目指す
この時期を乗り越えるためには、以下の4つの視点でエンプロイアビリティ(雇用される能力)を高めていく必要があります。
相対的な強みの明確化
- これまでの経験から得た独自のスキル
- 特定の業務領域での専門性
- 他者と差別化できる能力
基礎力の強化
- ビジネスコミュニケーション能力
- 問題解決力
- プロジェクトマネジメントスキル
組織内での価値向上
- 部門を超えた人的ネットワークの構築
- 若手育成への積極的な関与
- 業務改善の推進
外部での価値創造
- 業界共通の専門資格の取得
- 汎用性の高いスキルの習得
- 具体的な成果の数値化
実践的なアプローチ:30年の経験から学んだこと
私自身、製薬会社での30年以上の経験の中で、同様のジレンマに直面しました。
そこで効果的だった取り組みをご紹介します。
現状の可視化
- スキルの棚卸し
- 強みと弱みの分析
- 市場価値の客観的評価
目標設定の工夫
- 3ヶ月、6ヶ月、1年での具体的な目標
- 実現可能な小さな一歩から始める
- 定期的な見直しと軌道修正
行動計画の策定
- 優先順位をつけた実行計画
- 時間管理の徹底
- 継続的な学習機会の確保
ジレンマを成長の糧に変える
実は、将来像が見えにくいと感じる時期こそ、大きな成長のチャンスとなります。
新たな可能性の発見
- 異なる視点からの自己理解
- 未知の領域への挑戦機会
- 新しい役割の発見
スキルの複合化
- 既存スキルの新しい活用法
- 異なる分野のスキルの組み合わせ
- 応用力の向上
ネットワークの拡大
- 社内外での新しい出会い
- 異なる分野の専門家との交流
- 多様な価値観との接点
具体的なアクションプラン
では、明日から何をすべきでしょうか?以下の3つのステップを提案します。
自己分析の実施
- 現在のスキルと経験の棚卸し
- 市場価値の客観的評価
- キャリアの方向性の検討
具体的な目標設定
- 半年後の理想像の明確化
- 達成のための行動計画
- 実行スケジュールの作成
継続的な行動
- 毎日の小さな努力の積み重ね
- 定期的な振り返りと修正
- 成長機会の意識的な創出
まとめ:不安を成長のエネルギーに
中堅社員として感じるジレンマや不安は、実は次のステージに進むために必要なプロセスです。
それは、より高い視点で自身のキャリアを見つめ直す機会となります。
わたし自身、入社5年目くらいだったと思います。ある医師との会話で
「物事がうまくいかない時には、自分は今、将来大きく飛躍するために力をためてると考えたら?」との言葉をかけられました。
その時は、正直、複雑な心境でしたが、その後にチャンスはあり成果に繋がりました。
『日常業務からキャリアを磨く実践ハンドブック』では、こうしたジレンマを乗り越え、次のステージに進むための具体的な方法をより詳しく解説しています。
キャリアの将来像が見えにくい今だからこそ、新たな可能性に目を向け、一歩一歩、確実に前進していきましょう。
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