今日のまとめ(ポイント紹介)
年齢を重ね、経験が増えてくると、自然と「伝える側」になる場面が増えます。
でも、伝えたはずなのに相手に届かない、そんな経験はありませんか?
その原因は、内容が正しいかどうかではなく、伝え方に“誠意”や“思い”があるかどうか。
人は、正論よりも“心”に動かされます。
この記事では、
「伝える」ではなく「伝わる」ための関わり方、
そして経験をどう後輩に渡していくかを考えてみます。
経験を積むと「伝える側」に立つようになる
年齢を重ねて仕事の経験を積むと、
若手にアドバイスをしたり、部下に指導をしたりする場面が増えていきますよね。
私もそうでした。
「これをやっておくといい」「こうしたほうが効率がいい」
そんなふうに、正しいやり方を教えてきたつもりでも、
なぜか相手に響かないことがありました。
「なんで伝わらないんだろう?」
「言ってることは間違ってないのに……」
そう感じたこと、皆さんにもあるのではないでしょうか。
正しさだけでは心は動かない
キャリアコンサルタントとして感じるのは、
人は“正しさ”では動かないということです。
たとえば、どれだけ正しいことを言っても、
そこに“思い”や“誠意”が伝わらなければ、
相手の心には届きません。
逆に、言葉が少し足りなくても、
相手を思う気持ちがにじみ出ていれば、
それだけで「この人の話を聞こう」と心が動くんです。
若いころ、私自身も上司や先輩に助けてもらいました。
今でも記憶に残っているのは、
その人がどんな言葉を使ったかではなく、どんな態度だったかです。
「本気で向き合ってくれた」
「ちゃんと話を聞いてくれた」
そうした“温度”のある関わりが、
私の中に信頼として残り、今でも仕事の中で生きています。
共に考える姿勢が、経験を伝える力になる
経験を伝えるとき、大事なのは「教える」ではなく「一緒に考える」こと。
「こうすればいい」と一方的に伝えるよりも、
「自分もこんな経験をした」と語ることで、
相手は自分の中に答えを探し始めます。
私が営業マネージャーだったころ、
部下がトラブルの報告をしてきた時のことを今でも覚えています。
私はすぐに指示を出すのではなく、
まず最後まで話を聞くようにしていました。
そして一言、こう問いかけました。
「このあと、どうする?」
たった一言ですが、その問いかけによって、
部下自身が次の行動を考え、自分の言葉で整理して話し始めたのです。
その表情を見て、「あ、今この人は成長してるな」と感じたことを覚えています。
キャリア支援の現場でも同じです。
アドバイスよりも、相手が自分で気づく時間を作ることが何よりの支援になります。
正しさは押し付けるものではなく、にじみ出るもの
「正しさ」は、押し付けるものではありません。
それは、相手を思って言葉を選び、
自分の経験を少しだけ差し出すような関わりの中で、自然とにじみ出てくるものです。
年齢を重ねると、どうしても「教える立場」になりがちですが、
それは一方的な“上から目線”ではなく、
「相手の立場に立つ目線」を忘れないことが大切です。
経験を渡すというのは、
“知識を共有する”ことではなく、
“経験の温度”を渡すことなんですね。
ミスやトラブルも、経験を渡す材料になる
今週のテーマでもお話ししてきましたが、
ミスやトラブルも、立派な「経験を渡す材料」です。
トラブルをどう乗り越えたか、
失敗から何を学んだか、
そのプロセスを語ることが、
後輩たちにとっての貴重な学びになります。
「こんな失敗をしたことがある」
「その時、こんなふうに考えた」
そんな正直な話の中にこそ、
信頼や成長のきっかけが隠れています。
今日のまとめ:経験は、語ることで“生きた知恵”になる
今日お伝えしたいのは、
「伝えること」より「伝わること」を意識しようということです。
人は、完璧な言葉より、
誠意のある姿勢に動かされます。
経験は語ることで価値になります。
でも、その語り方ひとつで、
「押し付け」になるか、「気づき」になるかが変わります。
だからこそ、今日一日、
少し立ち止まって考えてみてください。
あなたの経験を、どんな形で後輩や周りの人に渡していけるか?
その答えを探すことが、
あなた自身のキャリアをより豊かにし、
周囲の成長の連鎖にもつながります。
最後に
経験を「伝えること」は誰にでもできます。
でも、「伝わる関わり方」ができる人は多くありません。
それは、経験の多さではなく、
相手を思う気持ちの深さで決まります。
今日の話が、あなたの職場での関わり方を
少しでも見直すきっかけになれば嬉しいです。
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