目標設定とその共有方法
こんばんは、みってるです。私は製薬会社で30年間営業の仕事をしてきました。
今年の4月からは、キャリアコンサルタントの資格を活かして、就職活動をしている方々をサポートしています。
今回の音声配信では、私の営業経験をもとに、「チームの目標設定と、その目標をどのように実現していくか」についてお話しします。
ステークホルダーに示された数字
まず、皆さんの会社では販売目標やチームの目標はどのように決められていますか?
私が以前働いていた会社では、1年間の売上目標がまず発表され、それをさらに半年ごとに分けた目標として設定されていました。
その目標をもとに、私たちの販売目標が決まり、そこからチームごとの予算が割り振られるという流れでした。
具体的には、目標はだいたい3月末と9月末に発表されます。
4月から始まる上期の目標は3月末までに、10月から始まる下期の目標は9月末までに伝えられるのが一般的でした。
そして、新しい期が始まった直後、4月や10月の早い段階で、チーム全員に目標の数字や取り組むべき内容を説明していました。
目標の根拠と思い
目標そのものは会社で決められたものが降りてくるので、私の役割としては「なぜその目標なのか」をチームに説明することでした。
単に数字を伝えるだけでなく、「この製品を重点的に売りたい」「市場でのポジションを強化したい」など、会社の思いや意図もあわせて伝えるようにしていました。
この説明があるかないかで、チームメンバーの納得感やモチベーションが大きく変わると感じていたからです。
リーダーからのメッセージで伝えること
さらに、目標を説明するときには、前の半年間の売上実績や数字の動きを具体的に示していました。
そのデータをもとに、「今回の目標がどれくらいの伸びを求められているか」「これまでのペースを維持すればどの程度達成可能か」などをわかりやすく伝えるよう心がけていました。
新しい目標が決まったときには、これまでの実績と比べて、どれくらい差があるのかを具体的な数字で示していました。
その上で、その差をどうやって埋めるかについて、私自身が考えた行動や対策をチームに説明していました。
目標達成のために何をするかを考える
ただし、大まかな方向性を示すだけではなく、月次の会議では常に「どうやって目標を達成するか」という話し合いを行い、みんなで意見を交換しながら進めていました。
このようなやり方で、チーム全体が「この活動をすればこれくらいの成果が出るかもしれない」とか「やり方次第では達成できる可能性がある」といった気持ちを持てるような説明を心がけていました。
最終目標は可能性を感じられる状態
数字を具体的に示しながら、「こうすれば達成可能」と考えるポイントをわかりやすく共有することで、チームメンバーがこれから半年間の行動をイメージできるようにするのが私の目標でした。
また、「これをやれば達成できる可能性がある」という最低限の自信を感じてもらい、「これなら何とかなりそうですね」といった言葉がメンバーから出てくるように説明を工夫していました。
とはいえ、目標が高すぎる場合には「何とかなるかもしれないですね」くらいの反応にとどまることもありましたが、それでも目標を提示し、具体的な方向性を共有することで、メンバーのやる気に変化が出ることが多かったです。
このようにして、チームのモチベーションを引き出すことが、マネージャーやリーダーとしての重要な役割だと感じていました。
今日も最後まで聞いてくださり、ありがとうございました。それでは、またお会いしましょう。さようなら。
目標設定とその共有方法のポイント
目標設定と共有のプロセス
- 目標のギャップを具体的に提示
新しい目標と過去の実績との差を数字で示し、その差を埋めるための行動や対策を具体的に説明。 - 目標達成のための意見交換
月次会議で目標達成に向けた具体的な活動方法を話し合い、意見を交換。 - 具体的な数字とシミュレーションの共有
過去の実績をもとに、どのような活動をすればどれだけの成果が期待できるかを数字で示す。
メンバーへの説明とモチベーションの向上
- 行動イメージを持たせる説明
半年間の活動計画を具体的にイメージできるように説明し、「やれば達成できる可能性がある」と感じてもらう。 - 目標への前向きな反応を引き出す
メンバーが「これなら達成できそう」「何とかなるかも」と感じるような説明を心がける。
リーダーとしての責任
- メンバーのやる気に影響を与える
目標提示の仕方や説明の内容が、メンバーのモチベーションに大きく関わる。 - 高い目標への対応
目標が高すぎる場合でも、前向きに取り組む気持ちを引き出す努力をする。
まとめ:目標設定と共有がチームを動かす力に
目標設定とその共有は、チームを動かす上で非常に重要な役割を果たします。
私が製薬会社の営業として経験したことを振り返ると、ただ数字を伝えるだけではなく、その背景や目標達成への道筋を具体的に示すことが、メンバーの納得感やモチベーションを大きく左右していました。
特に意識していたのは、目標達成の可能性を具体的なデータや行動計画を通じて伝えることです。
「どうすれば目標に近づけるか」を明確にすることで、メンバーが「やればできる」という前向きな気持ちを持てるようになります。
また、目標が高すぎると感じるときも、そのギャップを埋めるためにどんな努力が必要かを共有し、メンバーと一緒に考えることで、チーム全体の士気を高めることができました。
リーダーとして大切なのは、メンバーがただ指示を受けるだけでなく、自分の役割や行動をイメージできる環境を作ることです。
数字を示し、達成の方法を共有することで、チームの「動く力」を引き出せると考えています。
このように、目標設定や共有の仕方ひとつで、チームの成果は大きく変わります。
リーダーとして目標をどう伝えるか、どうチームに働きかけるかを考えることが、チームの成功への第一歩だと思います。