※キャリアコンサルタントの間ではクライエントと呼びます。
わたしが試験にチャレンジした時には、コロナ渦で面接トレーニングはzoomやteamsを使用していました。逆にwebであったことで、自宅に居ながら練習会に参加できました。
わたしは合計6回は練習会に参加させてもらいました。1回の練習会で、2回ずつキャリアコンサルタントと相談者(クライエント)役を実施していました。
2回、同じ人に当たらなかったので、合計12人のキャリア面談をしたことになります。
面談後に、すでに資格を取得している先輩キャリコン(ホルダーさんと記載します)さんが質問してくれます。「面談のなかで出来たことは?」「面談で、できなかったことは?」
それと同時に「相手の表情を見てましたか?」などの問いかけをする方もいました。
今日は『反応をキャッチする』を取り上げたいと思います。
反応をキャッチするとは?
わたしは、自分では気がついていませんでしたが、話を聞くときのクセがあるようです。キャリアコンサルタントの時には、その癖は強くは出ていないと思うのですが…
わたしは、話を聞くときには、リラックスして自然体で聞いているようです。話を聞いていて、疑問や意見を伝えたいときは少し肩が上がり、戦闘態勢に入るようです。
意見を伝えて、熱くなってくると上半身は相手に向かって近づいていく(前のめりになる)こともあるようです。
表情に出る人もいれば、わたしのように体が表現する人もいるようです。
反応をキャッチするのは、言葉やしぐさを見て感じることです。思い込みや決め付けはいけないですが、違和感も何かしら感じているので、その感覚を大切にしましょう。
どんなクライエントの反応をキャッチするのか?
前段で紹介した言葉やしぐさ、違和感は大切です。
また、わたしがコンサルタントから指摘された、話をするときのクセを紹介しました。
キャリアコンサルタントとして、面談する時に「〇〇さんにとって、お母さんの存在は?」と質問したとします。表情がこわばれば、何かあるのかもしれないと考えると思います。
人によっては、ある話題になると持っていたいたハンカチをギュッと握るなど、本人は無意識に反応することもあります。
わたし自身の「聞くぞ」という時と、「少しニュアンスが違うので訂正しよう」と考えた瞬間の動きなどです。
なぜ、反応(しぐさなど)をキャッチするのか?
クライエントの方に「今日は、どのようなことで来られましたか?」と声をかけるたときに
「いまの仕事があっていないので、やめることを考えています。」という主訴からはじまることがあります。
面談を続けていくと「仕事が合っていないのではなく、人間関係で悩んでいる?」などと感じることがあります。
話を聞いていくうちに、職場環境の話題になると言葉につまる。言葉を選ぶのに時間がかかる。身体に力が入る。などの変化が現れます。
キャリアコンサルタントの勉強をした人は、この状況の時にクライエントの問題点があるのではないかと考えます。
主訴「仕事が合っていない」ではなく、本人もあまり意識していないかもしれない「人間関係」を解決することで、仕事に集中できる環境になるのではないかという事です。
あくまでも転職促進がキャリアコンサルタントの役割ではありません。自分に適した職業やキャリアを構築するためのサポートが役割として求められています。
キャリアコンサルタントは基本的にはアドバイスはしない
キャリアコンサルタントは、クライエントの話を聞いて自己概念や価値観に気がつくサポートをします。そのことで、自分に適した仕事に就き、キャリアを作っていくことができれば有益です。
誰しも、「自分にあった仕事は何だろう?」「いまの仕事は自分にあっているのだろうか?」など、悩むこともあると思います。
そのような時に面談して、この会社を選んだ理由は何だったかを思いだした。この業界を目指したのは、過去の経験からだった。最初に描いたキャリアを積み重ねているなど確認のサポートをします。
その時に、会話をすすめながら、過去の自分の経験を振り返ってもらいながら「言い回し」や「しぐさ」などは観察しておく必要があります。
あくまでもクライエントが充実したキャリアを作ってけるように、語りを促し、自分について知ってもらいます。
クライエントが自分を知ることの重要性は?
自分を知ることで、自分の立ち位置が分かると思います。
わたしは自動車に搭載されているナビゲーションをイメージしています。
目的地を入力すると全体地図が示されます。そこにルートが表示されて、高速優先や距離優先など自分の好みの設定で移動コースを選べます。
家族旅行や彼氏、彼女とのドライブの時には、目的地までにあるお店やパワースポット、きれいな景色が見れる場所を通って行こうなどの計画を立てると思います。
キャリアも自己理解(強みや弱み)を知り、自己評価をして現在地を確認します。
目的地を決めて、そこに行くためにどのような知識やスキルを身に付けるかを決めます。
若い社員の方は、目的地を明確に決めるのは難しいかもしれません。その時は、積み上げ式とわたしは言っていますが、いまの業務をすすめることに役立つことから始めれば良いと思います。
いまの業務の効率を上げる方法はないかなどの考えから学びをはじめます。その学びが半年後、あるいは1年後には知識やスキル習得できたとの結果に繋がります。
クライエントの反応をキャッチすることの意味
前段に記載ましたが、クライエントに経験を語ってもらう。自分自身について知ってもらうことの重要性は理解できたと思います。
キャリアコンサルタントは面談のなかで、誘導することなくクライエントが話したいことを話してもらいながら、自己理解のサポートをします。
自己理解と関連する内容が、特有の言い回しやしぐさに現れることがあります。そのため、キャリアコンサルタント試験の時には、『言い回し』をしっかりとらえているかは見られていると思います。しぐさは、どこまで見られているかは言い回しほどはっきりとは言えません。クライエント役をするために、かなりのトレーニングをしていると聞いたことがあります。
『しぐさ』に変化が現れることは少ないのではないかと思います。ただ、気がついたのであれば、最後の質疑応答の時に気がついたことを伝えることで加点される可能性があるのではないでしょうか?
「今後の面談をどのようにすすめるか?」ですが、この部分が相手の反応をしっかりとキャッチできているかの判断材料になっていると思います。
クライエントの反応見逃さないのまとめ
- 表情の観察
クライアントの顔の表情を注意深く観察し、その変化から心理状態や感情の変動を読み取る。 - 非言語的サイン
身振りや手の動き、姿勢の変化など、言葉以外のしぐさを注意深く観察する。 - 声のトーンとペース
話し方の速さや声のトーンから、クライアントの感情や緊張度を判断する。 - 疑問や意見があるときの反応
クライアントが疑問を持ったり意見を話す際の反応を見て、どの話題が敏感であるかや関心のあるポイントを探る。 - クライアントの反応に対する対応
捉えた反応に基づき、適切な質問を投げかけたり、話題を深掘りしたりして、クライアントのニーズに合った対話を進める。