長年のマネジメント経験は、私たちに確かな自信と実績をもたらしてくれます。
しかし、その「経験」が時として新しい気づきを妨げることもあります。
今日は、若手社員の視点から学ぶことの価値について、私自身の経験を交えてお話ししたいと思います。
経験がもたらす「慣れ」の落とし穴
「いつも通りの朝礼でいい」「例年と同じ進め方で問題ない」 そう思っていませんか?
忙しい毎日です。問題がないと考えている場合、優先順位も何もないと思います。
わたし自身問題に気が付いていなかった時期がありました。
経験を重ねるほど、無意識のうちに「慣れ」が生じてきます。
その「慣れ」は、時として若手社員の声に耳を傾ける機会を失わせ、彼らの不安や課題に気づかない原因となることがあります。
忘れかけていた新人時代の記憶
私は製薬会社で14年間マネジメントを経験しましたが、ある出来事をきっかけに、自分の新人時代の記憶が鮮明によみがえりました。
他のチームでメンタル面での休職から営業復帰するメンバーをサポートしていた時のことです。
そのメンバーから「今日は面談予定の1時間以上前に現地に着いて、何度もシミュレーションをしてから訪問しました」という報告を受けました。
その瞬間、私は自分の新人時代を思い出したのです。
得意先への訪問前に、近くの駐車場で何度も資料を確認し、頭の中で面談のシミュレーションを繰り返していた日々。名刺を出して面会を申し込むまでに、どれほどの勇気が必要だったか。
そして2024年、私自身が転職し、2回目の新入社員として新しい環境に飛び込む経験をしました。
キャリアコンサルタントの資格を持ち、人材育成の知識がある立場でも、新しい環境での不安は確かに存在していたのです。
全く違う職業であったこともあり、「ここでやって行けるだろうか?」「職場になじめるだろうか?」との不安はありました。
若手社員が抱える不安と期待
若手社員は日々、以下のような思いを抱えています。
- この会社でやっていけるのだろうか
- 自分の成長を実感したい
- 具体的な成功体験を積みたい
- 上司や先輩からの適切なフィードバックを求めている
- キャリアの方向性に不安を感じている
特に「この会社でやっていけるのだろうか」という不安は、表面化しにくいものです。
日々の業務をこなしているように見える社員でも、実は大きな不安を抱えている可能性があります。
新しい環境での挑戦から学んだこと
2回目の新入社員として感じたのは、経験があっても新しい環境での不安は誰もが感じるということです。その経験から、若手社員の気持ちをより深く理解できるようになりました。
キャリアコンサルタントとして培った知識と、実際に新入社員として感じた気持ち。この両方の視点を持つことで、若手社員の成長支援により効果的なアプローチができると気づいたのです。
若手社員の本から得られる気づき
「日常業務で成長する!若手社員のための実践ハンドブック」は、新入社員の視点から、成長への思いや課題が語られています。
ベテランマネージャーで。も、この本から学べることは少なくありません
- 若手社員の本音と期待の理解
- 表面化しない不安への気づき
- 成長意欲の本質的な理解
- 世代間のコミュニケーションギャップの解消
- 価値観の違いへの理解
- 効果的な対話方法の発見
- チーム運営における新しい視点の発見
- 支援が必要な場面の再認識
- 効果的なフォロー方法の工夫
- 自身の経験を活かした効果的な育成方法の再考
- 過去の経験の活用方法
- 新しい時代に合わせた適応
明日からのマネジメントに活かすために
ベテランマネージャーの皆さん、若手社員の視点から自身のマネジメントを見直してみませんか?
それは、単なる「慣れ」を打破するだけでなく、チーム全体の成長につながる新たな気づきをもたらすはずです。
時には、自分自身の新人時代を思い出し、その気持ちに立ち返ることで、より効果的な育成が可能になるのではないでしょうか。
私たちの経験は、確かに貴重な財産です。
しかし、その経験を活かしながら、常に新しい視点を取り入れていく姿勢こそが、真のベテランマネージャーとしての強みとなるのだと信じています。
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