「ポータブルスキル」という言葉は聞かれたことがあると思います。
厚生労働省のホームページで、『ポータブルスキル見える化ツール』という資料も公開されています。
このツールは、ミドルシニア層のホワイトカラー職種の方がキャリアチェンジ、キャリア形成を検討する際に使用するポータブルスキルを測定することを目的にされています。
ポータブルスキルは9つの要素で構成されています。一つ一つを考えてみたいと思います。
ポータブルスキル
ポータブルスキルとは、業種や種類が変わっても通用する、持ち出し可能な能力のことと定義されています。
「仕事のし方」、「人との関り方」で構成されています。
会社や業種・職種が変わっても通用する能力とされています。
従来の労働市場では、年齢が上がるほど即戦力として分かりやすい「専門知識・専門技能」が重視されてきましたが、業種や職種を超えた労働移動を実現するにはポータブルスキルの概念をマッチングの現場に持ち込むことが必要だと考えられています。
ポータブルスキル見える化ツール
『ポータブルスキル見える化ツール』は、ポータブルスキルのうち専門技術/専門知識を除いた「仕事のし方」と「人との関り方」に関する要素を職種が変わっても通用するスキルとして定義、構成されています。
ツールの開発目的は
自己理解、新たなキャリアチェンジ、主体的なキャリア形成の「きっかけ」や「気づきの材料」として活用することです。
000935264.pdf (mhlw.go.jp)
上記の問題を、解決してミドルシニアのホワイトカラーの能力が見えるようするために開発されています。
対象者・利用場面と想定する効果
対象者はホワイトカラー職種のミドルシニア層の相談者です。
利用場面としては、求職者の職業相談の場、企業内の労働者のキャリア自立・キャリア充実、自己啓発を促進するための相談の場とされています。
効果として下記の4つが可能だと考えられています。
相談者が支援者と一緒に利用し、①自己理解を深めることにより、②新しいキャリアへの気づきが得られ、③目標設定や目標達成に必要な能力開発テーマの選定が可能になります。
もうひとつは④応募書類の作成ができるとされています。
本来の使用方法とは違いますが、ポータブルスキルを自分自身のキャリアアップに活かせないかとの視点で次に進みたいと思います。
ポータブルスキルの定義『仕事のし方』現状把握
現状把握の定義は、常にアンテナを張って情報収集し、それを評価・分析しているとされています。
000935264.pdf (mhlw.go.jp)
『現状把握』の測定尺度と階層です。あなたはどのレベルだと思いますか?
感覚としては、チームレベルの業務に必要な情報を収集しているかもしれません。
私は課長職になる前は、入手した情報が自社にどのような影響があるのか?可能性も含めて考えるようにしていました。チームや上司に報告・情報共有する時に付加価値をつけることを意識していました。
自己成長のために意識すること
自社に与える影響を考慮するのは、階層4で高いレベルです。情報収集を意識するとしても何を意識したら良いかわからないと思います。
最もわかりやすいのは3Cの視点で情報収集をわけることだと思います。
Customer(市場・顧客) Competitor(競合) Company(自社)
もうひとつ、わたしはチームの活動計画を立てる時にはPESTも使用していました。
Politics(政治) Economy(経済) Society(社会) Technology(技術)
営業であれば、市場・顧客の動きはどうか?競合はどのような活動をしているか?にはアンテナを立てていました。
得意先も上司と一緒に訪問する時には、表敬訪問の意味合いもありながら業界の動きなど上司奈良での情報提供を期待する方もいると思います。「情報」にもいろいろあります。
医療機器を取り扱っていると、政治、経済、技術なども気になりますし、その変化による影響で顧客がどのような動きをするかなど考えることもありました。
私は営業でしたので、『市場の大きさ』『自社の売上』『シェア』などを考慮して、訪問頻度を考えていました。
ポータブルスキルの現状把握
測定尺度は情報収集の範囲とされています。自分の業務で、現状把握の重要度は高いでしょうか?
自分が成果を上げるために必要な情報は入手できるでしょうか?
情報の入手ルートは複数確保できているでしょうか?
どのような情報が必要であるかと共に入手ルートの確保と正確さなどを高め、収集・分析のためにどのような視点が必要かを整理することがスタートになると思います。
最初は意識して、取り組まないと現状把握のスキルは向上しないかもしれません。慣れないうちは、意識して実行することだと思います。