業務を進めている中で、「以前の会社では、どのような仕事をしていましたか?どのような役割を果たしてきましたか?」と聞いた時に「現場監督をしてました。」「施工管理責任者をしていました。」と言われることがあります。
再就職する時に、その経験や資格を活かす考えがあるかを質問すると、「社内資格だから、社外では通用しないですよ。」などの発言があります。あるいは、「もう責任ある仕事はいいかなぁ」などの発言もききます。性格によるのかもしれません。
資格には、社内資格と国家資格、公的資格、民間資格があります。社内資格と共に他の資格取得を考えることも良いと思います。関連する内容を今日は考えます。
社内資格制度とは?
社内資格制度とは、企業が自社の従業員を対象に設定した独自の資格試験やトレーニングプログラムのことを指します。
この制度は、従業員のスキルと知識を体系的に向上させ、組織全体の業務品質を保持・向上させる目的で設計されています。
資格制度の概要
社内資格制度は、従業員が特定のスキルや知識を持っていることを証明するためのものです。
通常、試験や研修が組み込まれ、これに合格することで資格が授与されます。
このプロセスを通じて、従業員は自身のキャリア開発に役立つ具体的な目標を持つことができ、企業は人材の質を保証する手段を持つことができます。
認定社内検定導入との違い
一方で、認定社内検定制度とは、個々の企業や団体が自主的に行う社内検定のうち、一定の基準を満たしており、技能振興上奨励すべきであると認めたものを厚生労働大臣が認定する制度です。
認定を受けた社内検定は、以下のような追加のメリットがあります。
認定社内検定導入の効果
- 技能の見える化・標準化
- 従業員のモチベーションアップ
- 知識や技能・技術の向上
- 若手従業員の定着・新入社員の採用
- 社内の技能評価への権威づけ
- 有資格者の実績への寄与
- 顧客の評価
- 業界内での地位向上・差異化
- 地域産業復興に貢献
- 広報効果・企業ブランドの向上
導入による効果
技能の可視化と標準化
社内資格制度は、従業員の技能レベルを明確にし、業務の標準化を促進します。
これにより、一貫したサービス品質を保ちやすくなります。
モチベーションの向上
資格取得を通じて自己成長を実感できるため、従業員のやる気を引き出し、職場の雰囲気も向上します。
人材の定着率向上
キャリアパスが明確になることで、従業員の定着率が向上します。
特に新入社員にとって、将来のビジョンが見えることは大きなモチベーションになります。
組織全体のスキル向上
全従業員が一定のスキルレベルに達することで、組織全体の業務効率が向上します。
企業ブランドの強化
高い技能を持つ従業員を多く輩出することで、外部からの評価が高まり、企業のブランド価値が向上します。
企業にとってのメリット
業務効率の向上
統一されたトレーニングと評価基準により、業務の効率化が進みます。
これにより、時間やリソースの節約が可能になります。
リスク管理
技能レベルのばらつきを抑え、業務中のミスや事故を減少させることができます。
これにより、安全性と品質が確保されます。
才能の発掘
隠れた才能や潜在能力を見つけ出し、それを組織内で最大限に活用することが可能です。
これにより、組織全体の成長を促進します。
従業員にとってのメリット
スキルと知識の向上
社内資格を取得するためには特定のスキルや知識を習得する必要があり、これにより従業員は自身の専門知識や技能を体系的に学び、向上させることができます。
キャリアパスの明確化
資格取得を目指すことで、キャリアの進むべき道筋が明確になります。
これにより、自分のキャリアビジョンを描きやすくなり、具体的な目標を設定することができます。
モチベーションの向上
資格取得は自己成長の証となり、達成感を得られます。
このプロセスを通じて、仕事に対する意欲やモチベーションが向上します。
信頼性の向上
資格を取得することで、社内外からの信頼が向上します。
上司や同僚、さらには顧客からの評価も高まり、仕事の進め方に対する信頼性が増します。
雇用の安定
高いスキルを持つことで、企業にとって不可欠な人材となります。これにより、雇用の安定が図られ、長期的なキャリア形成が可能となります。
社内資格のまとめ
社内資格制度は、従業員にとっても企業にとっても多くの利点をもたらします。
技能の伝承やキャリアアップの支援が行われるだけでなく、企業の持続可能な成長を支える重要な要素となり得ます。
従業員一人ひとりが自身のキャリアを積極的に形成していく中で、社内資格制度はその道しるべとなるでしょう。
認定社内検定制度を導入することで、さらに効果を高めることができます。
この制度を活用し、企業と従業員がともに成長し続ける環境を整えましょう。
資格(国家資格、公的資格、民間資格)
仕事をして、お客さんの就職先を探している時に気になることがあります。
冒頭で紹介した「社内資格で、転職時には役に立たない」という言葉です。
求人票から分かること「あれば尚可」
土木作業の求人票を見ていると、資格に関する記載で「あれば尚可」があります。
「あれば尚可」の記載は、変わる可能性が高いと感じます。
表現が難しいですが、介護施設などでニュースで取り上げられるような事件が起きた場合などはすぐに削除される可能性があります。そのため、マメにチェックしてい置かないと募集要項から外れた人を紹介することになります。
求人票から分かること 資格があることでの手当の違い
土木作業員の募集でも、資格があることで手当てが支給されることがあります。
資格があることで手当てが出ることは良くあります。
民間資格でも取得すると可能性が広がります。2級土木作業施工責任者は国家資格ですが、転職する時に月に数万円手当がつくこともあります。年間でかなりの金額です。
社内資格でも施工責任者をするほどの経験者であれば、勉強をすることで取得できる可能性はあります。自分のキャリアの幅を広げる意味でも検討することは無駄ではないと思います。
まとめ
キャリアコンサルタントの立場で考えると、社内資格とはいえ「施工責任者」という立場や役割を果たしてきた経験は貴重です。人生100年時代、定年も明記されなくなりつつあります。経験を活かす機会は増えることが考えられます。
ただ、現時点で転職のお手伝いをするときに、多くの方が「社外では生かせない」との認識があります。求人票でも国家資格や公的資格、業種によっては民間の資格などが求人票に記載されています。
自分のキャリアを考える機会を持つことと幅を広げることを考えることは必要になってきます。
社内資格を取得するにも経験や知識、スキルは必要です。取得するための勉強をすると思います。そこに少しのプラスαの勉強をすることで可能性が大きく変わってきます。
この記事がキャリアを考える一助になれば…